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【ニュースレター】植物由来FRPから見出す、次世代循環型複合材の可能性

Digital PR Platform / 2024年6月28日 15時0分

【ニュースレター】植物由来FRPから見出す、次世代循環型複合材の可能性

~亜麻繊維(リネン)の工業製品活用に向け、長年培ってきた加工技術を携え前進~


[画像1]https://digitalpr.jp/simg/1620/90687/700_467_20240627151615667d03af67c07.JPG


亜麻繊維を用いた繊維強化プラスチックの研究・開発に取り組む、生産技術本部の藤井さん(右)と伊藤さん
 
植物由来の難敵に二人三脚で挑戦
 主に衣服の生地などに用いられるリネンは、亜麻の繊維を原料とした織物です。亜麻はフランスやベルギー、東欧諸国などで盛んに栽培される植物で、その実から採れる亜麻仁オイルはペンキやインクの原料とされるほか、近年では健康食品としても注目を集めています。
 「さまざまな用途で幅広く使われている亜麻ですが、やはり工業製品での活用となると一気にハードルが高くなります」と苦笑いを浮かべるのは、当社生産技術本部の伊藤友貴さん。伊藤さんは現在、先輩エンジニアである藤井健二郎さんとの二人三脚で、亜麻繊維を用いた繊維強化プラスチック(FRP)の研究・開発にチャレンジしています。
 FRPは、ボートの艇体などに使われる軽量かつ高強度な複合材ですが、一般的にはガラス繊維やカーボン繊維などが用いられています。しかし、「優れた特性を持つ半面、資源循環などの点ではまだ発展の余地がある」と藤井さん。「当社が長年積み上げてきたFRP加工技術を次の世代につないでいくためにも、植物由来素材の活用は有効なアプローチの一つだと考えています」と、その背景を話します。


[画像2]https://digitalpr.jp/simg/1620/90687/600_400_20240627151611667d03ab812cf.JPG


原材料となる亜麻繊維。空気や水分を含みやすく、不規則なほつれがあるなど、その扱いには天然素材ならではの難しさがある
 
循環型複合材の研究・開発を加速
 複合材の原材料としての亜麻繊維には、いくつかの弱点があります。たとえば天然素材ならではの不規則なほつれや、ガラス繊維と較べ高い吸湿性などはその代表例。「もともと扱いが難しい素材ですが、私たちがイメージしているのは幅広い製品領域への実装です。厳しい要件をもつ難しいターゲットを設定することで、当社のさまざまな事業領域での可能性が拡がると考えました」(伊藤さん)
 その“難しいターゲット”とは、水上オートバイの「SuperJet」。水が苦手な素材である上に、強い水圧に耐える強度も必要です。試行錯誤を繰り返すことで、やがて求められる性能と外観品質に目途が立つと、まずは社内のエンジニアが集まる技術展に出展。各事業領域で活躍するプロフェッショナルたちからの関心の高さに確信を得て、今春開催された「ジャパンインターナショナルボートショー」にも出展しました。
 亜麻繊維の積層には、真空圧によって樹脂を充填・含浸させるインフュージョン成形と呼ばれる工法が用いられています。「それができるのも、この会社がFRPに強いこだわりを持って、たくさんの引き出しを作ってきたから」と藤井さん。一方の伊藤さんも、「モノと向き合うことで、着実に扱いのポイントがつかめてきました。見た目のやさしい風合いや弾力のある特性など、その素材の活かし方についてもイメージが拡がっています」と手応えをつかんでいる様子。循環型複合材の実用化に向けて、研究・開発はさらに加速しています。
 

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