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木質内装建材・木の香りが精神・心理療法に与える効果を検証

Digital PR Platform / 2024年7月5日 13時5分

・「室内の好ましさ」の測定①快適さ②香り③温度④空間⑤明るさの内、②香り以外では差は認められなかった。


 近年、精神疾患は世界的に増加傾向で、中でも「うつ病」は大きな社会問題の一つです。抗うつ薬などの薬物療法は適切に使用することで大きな効果が得られますが、いわゆる「軽症うつ病」では必ずしも薬物療法の実証度は高くありません。また、うつ病の回復期では認知行動療法などの心理療法が有効であり、薬物以外の代替あるいは補助療法の重要性が認識されています。植物や木材と言った自然の要素には、抑うつ・不安の軽減効果が期待されており、「バイオフィリックデザイン※6」はストレス改善をサポートする手法として注目されています。
 今回の共同研究の成果を活かし、さらなる探求に取組むとともに、より多くの人々に対しより良いサービスの提供、より快適な空間づくりを目指します。


※1日本精神神経学会は会員数2万名以上が入会する国内最大級の精神神経医療系の学会。第120回学術総会は2024年6月20~22日札幌コンベンションセンター/札幌市産業振興センターにて開催。年次総会には毎年7000人を上回る会員が参加し精神医学の幅広い領域での進歩を一望できるプログラムが組まれている。
※2認知行動療法(CBT):もののとらえ方、考え方に働きかけストレスに上手に対応できるこころの状態をつくり適応力を高めていく療法。
※3ハミルトンうつ病評価尺度:1960年にHamiltonによって発表されたうつ病の重症度を評価するための尺度。うつ病の症状に特徴的な項目    について、医師などの専門家が項目ごとに評価をしていく心理検査。「抑うつ気分」、「罪悪感」、「入眠困難」など17項目を評価する。
※4近赤外スペクトロスコピー:近赤外線を用いて、脳内ヘモグロビンの酸素化状態の変化を測定し、脳の血液量変化を基に脳機能を間接的に計測する手法。
※5気分プロフィール検査(POMS)の「抑うつ」の項目と正の相関を示した(p=0.47)
※6バイオフィリックデザイン:「(人間は)生まれつき自然とつながりたいという欲求を持っている」という概念、バイオフィリアを空間デザインに取り入れた手法のこと。

<背景、共同研究体制>
住友林業
木の総合的な活用を目指し広く研究開発を進める拠点として筑波研究所を1991年に設立。筑波研究所では、「木」や「緑」のもつ機能や特性、それらが人の心やからだに与える影響を科学的に検証し快適な空間づくりに活かしてきました。本共同研究では、研究計画の作成、木質内装建材・木の香り等の環境構築の監修等を主に担当。

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