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新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の重症化に関与する遺伝子を発見

Digital PR Platform / 2024年8月19日 14時0分

研究内容
 本研究では、209例のCOVID-19患者(20歳以上)を対象としました。8種類のHLA遺伝子(HLA-A、HLA-B、HLA-C、HLA-DPA1、HLA-DQA1、HLA-DPB1、HLA-DQB1、HLA-DRB1)について遺伝子解析を実行し、おのおのの患者が保有するHLA遺伝子型を決定しました。
 COVID-19の重症度とHLA遺伝子型の関連を評価するため、COVID-19患者群を重症群(91例)と非重症群(118例)の2群に分けてHLA遺伝子型の保有頻度を比較しました。2群間の関連解析は、「オミクロン株流行前(2021年12月以前)」、「オミクロン株流行期(2022年1月以降)」および「全研究期間」の3つの期間に分類して行われました。
 オミクロン株流行前では、HLA-DQA1*01:03の遺伝子型を保有する頻度は、非重症群(10.5%)と比較して、重症群(35.2%)で有意な上昇を示しました。また、HLA-DQB1*06:01の遺伝子型を保有する頻度も、重症群(32.4%)と非重症群(7.9%)の間で有意な差が認められました。
 オミクロン流行期においても、統計学的に有意ではないものの、HLA-DQA1*01:03とHLA-DQB1*06:01の2つのHLA遺伝子型は非重症群と比較して重症群で保有頻度が多い傾向を示しました。研究期間全体を通して見ると、HLA-DQA1*01:03の保有頻度は重症群で30.2%、非重症群で14.4%、HLA-DQB1*06:01保有頻度は重症群で44.5%、非重症群で26.7%と、いずれのHLA遺伝子型も重症群で保有頻度が有意に高いことが認められました(表1)。このことから、HLA-DQA1*01:03とHLA-DQB1*06:01の2つのHLA遺伝子型は新型コロナウイルスの株の種類に関係なく、COVID-19の重症化に関与することが示唆されました。

今後の展開
 本研究により、HLA遺伝子型とCOVID-19重症度の関連が明らかになりました。本研究の成果は、COVID-19の重症化リスクを予測するための基礎情報(バイオマーカー)になることが期待されます。重症化リスクを正確に予測することで、ワクチンや抗ウイルス薬を、重症化しやすい患者へ適切に投与することが可能となり、COVID-19の将来的な予防および治療戦略に寄与することが期待されます。

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