高校化学グランドコンテスト2024 文部科学大臣賞は「ホウ素ケージド技術による細胞機能の光制御」広尾学園高等学校(東京都)秋庭琉衣さんが受賞
Digital PR Platform / 2024年10月28日 14時5分
芝浦工業大学(東京都江東区/学長 山田純)が、主催する「高校化学グランドコンテスト2024」の最終選考会が10月26日、27日に芝浦工業大学豊洲キャンパスで開催され、広尾学園高等学校の「ホウ素ケージド技術による細胞機能の光制御」が1位の文部科学大臣賞に輝きました。また、同校は特別協賛企業賞(第一三共賞)とのW受賞となりました。
■ 「ホウ素ケージド技術による細胞機能の光制御」研究概要
ケージド化合物は、生物活性物質に光で取り外し可能なユニットを連結し、一時的に不活性化した分子であり、薬剤の活性化を任意の時間と場所でコントロールできる。従来のケージド法は特定の官能基(分子の中で特定の化学反応を起こす部分)を持つ分子のみが対象で、多くの生物活性分子のケージド化が困難だった。最近、可視光で炭素-ホウ素結合を切断するホウ素ケージ化合物を用いることで、ケージド化の対象の分子が大幅に増加したが、この手法は構造の自由度に乏しいことが課題であった。そこで、より合成が容易で構造の自由度の高いホウ素ケージド化合物を設計した。具体的には、DFT計算という化学計算方法を利用して最も安定で長波長吸収をしてくれる構造を特定し、その結果で最適とした構造を合成した。
■ 広尾学園高等学校の受賞コメント
広尾学園高等学校3年 秋庭 琉衣さん
研究を楽しく続けてきた結果、このような賞を受賞することができてとても嬉しく思っております。これまでご指導いただいた東京科学大学の隅田有人准教授にも本日の結果と感謝の気持ちをお伝えしたいです。今後は海外大学の受験を予定しており、アメリカで研究を続けていきたいです。本日は海外チームの参加もあり、とても刺激になり楽しかったです。
■講評
第一三共株式会社 渡辺剛史様
我々は「世界中の人々の健康で豊かな生活に貢献する」という企業理念のもとサイエンス&テクノロジーでの社会貢献に取り組んでおり、今回の発表は高いレベルのサイエンスを発揮されていること、生命関連企業としてバイオロジーに適応できる研究であることを評価いたしました。
審査委委員長 名古屋大学名誉教授・元IUPAC会長 巽和行様
口頭発表された10チームはいずれも素晴らしかったです。そして、すべてのチームがナンバー1であると感じるような内容でした。また、多くの若い才能が集まり、日本の未来は明るいと感じました。このような場での出会いはみなさんの将来にとってとても重要なものになるでしょう。是非、この大会をきっかけに友人を作って、これからの研究で切磋琢磨してください。
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