デロイト トーマツが、創薬分野での量子コンピュータ実用化時期の見極めと早期化に向けて実証を開始、新薬開発の知見を有する中外製薬と連携
Digital PR Platform / 2024年11月19日 14時52分
【実証の概要~合理的な薬物デザインへの量子コンピュータ適用に向けた実証】
本実証では、量子分野のグローバルトレンドに精通し、量子アルゴリズムに知見を持ったサイエンティストを有するデロイト トーマツが、創薬分野の知見を有する中外製薬と連携することで、FTQCの実用性を実証します。これによって、合理的な薬物デザインへの量子コンピュータ適用の早期化を目指し、創薬プロセスの変革に繋げます。
実証期間:2024年8月~2025年6月(予定)
実証手法:現行のいわゆる古典コンピュータ上に模倣された量子シミュレータを用いて量子化学計算*と呼ばれるシミュレーション手法を検証します。このシミュレータで計算可能な範囲は限られますが、FTQC実現時のインパクトやハードウェアリソースを見積もることができます。また、その過程で、量子化学計算における標的タンパク質と薬物の相互作用モデリングと次元圧縮技術を確立し、組み合わせることにより、標的タンパク質と薬物の結合シミュレーションに必要なハードウェアリソースの削減を試みます。これにより、合理的な薬物デザインへの量子コンピュータの実用化の早期実現が期待されます。デロイト トーマツは参画するサスティナブル量子AI(SQAI)研究拠点(科学技術振興機構・共創の場形成支援プログラム 採択拠点)の枠組みを通じ、FTQC×量子化学分野における第一人者である慶應義塾大学 杉﨑研司特任准教授の支援によってこれまでに技術的な知見を蓄えており、今回の実証にも活用します
期待される成果:FTQCが実用上優位になる時代に必要な量子ビット数、ゲート数といったハードウェア要件を推定し、世の中のハードウェア開発動向と照らし合わせることで、いつどのような応用が見込まれるかの見通しに繋げます。
* 量子化学計算:量子化学計算は、原子や電子の動きや相互作用を非常に詳細に解析することにより、分子の構造や性質を物理法則に基づいて予測するもの。これにより化学実験を伴わずに医薬品候補と標的タンパク質の結合具合を評価することができる。 しかしながら、評価を高精度に計算しようとすると扱う分子の大きさなどに比例して指数関数的に計算時間が増加するため、古典コンピュータでは数百年から数千年を要してしまうこともある。そこで量子コンピュータを用いることで、精度を確保しつつ計算時間が劇的に圧縮される可能性があると期待されている。
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