【芝浦工業大学】AI技術を活用した地盤強度予測システムの開発~人工ニューラルネットワーク(ANN)を用いた機械学習モデルにより地盤強度の予測精度が20%向上~
Digital PR Platform / 2024年11月8日 20時5分
芝浦工業大学(東京都江東区/学長 山田純)工学部・稲積真哉教授(地盤工学研究室)は、人工ニューラルネットワーク(ANN)※1やバギング法(ブートストラップ集計)※2を組み合わせたAI技術を活用した機械学習モデルによる地盤強度予測システムを開発しました。これにより、地盤の安定性や地震時の液状化のリスクを示す重要な指標である支持層※3の深さの予測精度が従来から20%向上しました。
日本のような地震が多発する地域における都市開発では、地盤の安定性を正確に予測し、地震発生時の液状化リスクを軽減することが重要となります。本研究ではAI技術を活用した機械学習モデルに、東京都世田谷区内433地点の地盤データを組み合わせ、従来よりも正確な支持層の分布を示す3次元マップの作成に成功しました。これにより、安定した建設現場を特定し、液状化リスクに備えた災害レジリエンスの高い都市開発が可能となります。
※この研究成果は、2024年10月8日付の「Smart Cities」誌に掲載されています。
【ポイント】
・人工ニューラルネットワーク(ANN)やバギング法を組み合わせた機械学習モデルを開発
・地盤の安定性や地震時の液状化のリスクの指標となる支持層の深さを予測する精度が従来から20%向上
・予測精度を高めることで、災害レジリエンスの高いスマートシティの実現が可能
■研究の背景
液状化現象は地震発生時におけるインフラ被害の要因の一つといえ、2011年の東北地方太平洋沖地震では1,000戸、2024年の能登地震では6,700戸の家屋が被害を受けました。液状化の影響に強い都市を構築するには、土壌の状態を正確に評価することが必須ですが、従来の手動の土質試験法ではすべての土地を均一に評価することは困難でした。そこで、地質データを用いて土層の詳細な3Dマップを作成することで、地震時に土壌がどのように反応するかを予測するシステムを開発しました。そして今回、その予測精度の向上を目指し、AI技術を取り入れた機械学習モデルの開発に着手しました。
■研究の概要
標準貫入試験※4とミニラムサウンディング試験※5という、土の密度と基礎の必要条件を評価する2つの方法を用いて、東京都世田谷区内の433地点の地盤データを収集。これに緯経度や標高などの地理的データを組み合わせ、支持層の厚さと深度を予測します。集計したデータは、10箇所の支持層深度を予測する人工ニューラルネットワーク(ANN)に学習させ、実際の現場測定値と照らし合わせることで予測精度を評価しました。さらに、上記手法にバギング法を適用することで、予測精度が従来よりも20%向上しました。
この予測値を基に、世田谷区内の4カ所を中心に半径1km以内の支持層の分布を示す3次元マップを作成。このマップは、地盤の安定した土地を特定するための視覚的補助として機能し、液状化のリスクが高い地域をピンポイントで特定できるため、より適切なリスク評価が可能となります。
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