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【京都産業大学】ミトコンドリアと核の遺伝子の進化的軍拡競走の実例を発見!-国際学術誌 『Theoretical and Applied Genetics』に掲載

Digital PR Platform / 2024年11月14日 14時5分

■寺地教授コメント
母性遺伝をするミトコンドリアゲノムにとって、自身を子供に伝えない花粉の形成は、資源の浪費、無駄であり、雄性不稔は好ましい性質であると考えられます。一方、雌性と雄性の両方の配偶子により子供へ伝達される核ゲノムにとっては、自身の子供への伝達の機会が増える(単純に倍になる)ので、花粉が正常に作られる方が好都合です。このことは、1つの個体の中で、ミトコンドリアゲノムと核ゲノムの間に、花粉を作るか作らないかのコンフリクトが発生していることを示唆しています。CMS vs. 稔性回復という現象は、その反映と考えられ、ミトコンドリアゲノムに雄性不稔の原因遺伝子が出現して花粉が形成されなくなると、それに対抗するように核ゲノムにRf遺伝子が生じ、花粉形成を元に戻します。しかし、やがてミトコンドリアゲノムの原因遺伝子にRf遺伝子の効果を消失させる変異が生じ、また花粉が作られなくなります。すると、変異型の原因遺伝子の発現を抑えることが可能な、以前とは異なるRf遺伝子が再び誕生する、というストーリーです。これはあたかもミトコンドリアゲノムと核ゲノムの間で進化的軍拡競走が繰り広げられているかのようであり、本研究はその一端を具体的な例で明らかにしたところに大きな意義があると考えています。
この研究成果は、2024年9月25日(日本時間)に国際学術誌 『Theoretical and Applied Genetics』に掲載されました。

むすんで、うみだす。  上賀茂・神山 京都産業大学

関連リンク
【生命科学部】「ダイコンのオグラ型雄性不稔に関連するorf138mRNAを切断する新規稔性回復遺伝子の同定とその多様性」に関する論文を公表
https://www.kyoto-su.ac.jp/news/2024_ls/20241023_400a_ronbun.html
京都産業大学 生命科学部 産業生命科学科 寺地 徹 教授
https://www.kyoto-su.ac.jp/faculty/professors/ls/terachi-toru.html





▼本件に関する問い合わせ先
京都産業大学 広報部
住所:〒603-8555 京都市北区上賀茂本山
TEL:075-705-1411
FAX:075-705-1987
メール:kouhou-bu@star.kyoto-su.ac.jp


【リリース発信元】 大学プレスセンター https://www.u-presscenter.jp/

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