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プラスチックに生分解性を付与する添加剤P-Lifeを添加したポリプロピレンの分解菌を発見。11月28日(木)に日本分子生物学会で発表

Digital PR Platform / 2024年11月25日 12時49分


[画像2]https://digitalpr.jp/simg/2571/99789/700_212_202411251150266743e5f240a73.jpg


本成果により見いだされた分解菌とP-Lifeを組み合わせることで、ポリオレフィン系素材を使用した製品などの生分解効率の大幅な向上が期待できます。したがってこれらの分解菌は、これまで困難とされていたPPの生分解を可能とし、難分解性プラスチック問題の解決に向けて重要な貢献を果たすことが期待されます。

今後本研究チームは、ポリオレフィン系素材を使用した様々な製品(キャップ、ボトル、ラベルなど)やポリオレフィン系以外の素材についても分解菌とP-Lifeによる効果を検証し、難分解性プラスチック問題の解決に向けた取組みを推進してまいります。


(※1)P-Lifeを配合したPPの分解菌を、P-Life添加PPストローに作用させたところ明確な分解痕を確認。また、これらの分解菌はP-Life含有PEも分解することが分かった。
(※2)JIS K6955法“プラスチックの土壌中での二酸化炭量測定による好気的究極生分解度の求め方”に基づき代謝分解を検証
(※3)慶應義塾大学が代表機関となり、参画企業と参画大学、鎌倉市の共創による国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)の「共創の場形成支援プログラム(COI-NEXT)地域共創分野育成型デジタル駆動超資源循環参加型社会共創拠点」のプログラムのことです。当プログラムは、地域大学等を中心とし、地方自治体、企業等とのパートナーシップによる、地域の社会課題解決や地域経済の発展のための自立的・持続的な地域産学官共創拠点の形成を目的としたものです。

-学会発表情報-
第47回日本分子生物学会、11月28日、福岡国際会議場 マリンメッセ福岡
演題:P-Life含有ポリプロピレンの微生物分解メカニズムの解明
演者:二木 彩香、黄 穎、冨山 績、安倍 義人、内山 修二、宮本 憲二

-研究費-
本研究は、JST共創の場形成支援プログラム(COI-NEXT)JPMJPF2111 の支援により行われました。

-用語の説明-
(用語1)P-Life
微生物分解が困難とされる難分解性プラスチックを、微生物分解へと導く画期的な添加剤です。難分解性プラスチックは、P-Lifeにより官能基を持つ低分子化合物へと変化し、微生物により分解されやすくなります。さらにP-Lifeは, 植物油から製造されており、安全性の高いものです。また、P-Lifeは、PPの物性や加工性に影響を与えません
(用語2)ポリプロピレン(PP)
水素と炭素から構成される合成樹脂で、日常で最も目にするプラスチック素材の一つです。ポリエチレン(PE)と比べて硬く、耐熱温度も高い点が特徴です。
(用語3)ポリオレフィン系プラスチック
単純なオレフィンをモノマーとして合成された高分子化合物の総称です。代表的なものとして、ポリプロピレン(PP)やポリエチレン(PE)があります。一般的に、微生物による生分解は困難で(自然界に存在する微生物の働きで最終的にCO2と水に完全に分解することが困難な性質)、環境中に廃棄されたプラスチックの多くは蓄積されてしまいます。

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