蜷川実花がこだわり小栗旬が体現した、愛に全力注いだ男女の生きざま

映画.com / 2019年9月13日 9時0分

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 [映画.com ニュース] 「太宰治本人の物語を作りたい」と7年の歳月をかけてオリジナル脚本で挑んだ蜷川実花監督。そして「この役を出来るのはこの人しかいない」という監督の熱いラブコールに、一度は悩みながらも「ワクワクした」と完璧なハマり役として太宰治を演じた小栗旬。日本人なら誰もが知る文豪・太宰の代表作にして遺作となった「人間失格」は自伝的な作品と言われているが、実は本人の人生のほうがよりドラマチックだった!? という着眼点から生まれた映画「人間失格 太宰治と3人の女たち」を、蜷川実花監督と小栗旬が語る。(取材・文/新谷里映、写真/間庭裕基)

 蜷川監督と小栗旬、実はガッツリとタッグを組むのは今回が初となる。企画開発中の比較的早い段階で、蜷川監督の脳裏には“太宰治=小栗旬”という構図が自然と浮かび、気づけば「小栗くん以外思いつかなくて、小栗くんじゃなきゃ無理だなって、断られたらどうしようって思いながら脚本を開発していました」と振り返る。なぜ、小栗だったのか──。

 「見た目や影の落ち方とかで言えば、小栗くんじゃない人にお願いしてもおかしくない役だと思いますが、太宰治って、絶大な人気を誇るスター作家でありながら、文壇からは正当に評価されなかった人。スター=トップを走っている人にしか見えない景色があるはずだと思っていて……、これまで写真家として節目節目で小栗くんを撮影してきたこともありますが、彼がもの凄い勢いでトップへと駆け上がっていく姿を映像や父の芝居で見ていて。そういう意味でも、これはもう小栗くんしかいないと思ったんです」

 実際、撮影現場で小栗の圧倒的な魅力を感じたと明かす。

 「男として格好いいのは周知のことですが、人としての包容力やリーダーシップ、座長としてそこにいる佇まいに、私も含めてみんなが助けてもらいました。女性はもちろん、現場で若い役者たちが小栗旬を崇拝する、その仕方が尋常じゃないというか。スタッフからの評判もいいし、とにかく人間力が素晴らしかった。まるで昭和のスターみたいで、これはみんな夢中になるわ! って思いましたね。圧倒的な存在感でした」

 蜷川監督の言葉に「ありがたいですね」と照れながらも、太宰治を演じることは役者として「楽しい半分、しんどい半分でした」という言葉を選ぶ。一筋縄では行かない役だった。

 「実在した人物ですし、しかも近代なので(情死してから71年)、役者としてはすごく悩む部分ではあるんです。でも、実花さんからほぼほぼ決定稿の脚本を読ませてもらったら、もの凄く面白くて。これは迷わずやるべきだと思いつつも、演じるのは大変だよなあというのが正直な気持ちで……」

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