西島秀俊&西田敏行、日本映画界の未来を見据えた“反省会”は「幸せな時間」

映画.com / 2019年9月28日 12時0分

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 現在の映像業界で引っ張りだこの実力派俳優・西島秀俊と、唯一無二の存在として緩急自在な演技を見せる俳優・西田敏行という魅力的な2人がタッグを組んだ映画「任侠学園」。現場では、西田を中心に、自主的に西島や若手俳優が集まり、連日「反省会」という名のもと、映画談議に花を咲かせていたという。西田と西島が「幸せな時間だった」という撮影を振り返った。(取材・文/磯部正和、撮影/間庭裕基)

 ヤクザでありながら、社会のルールを絶対に守り、義理人情で社会貢献をしていく「阿岐本組」が、経営難に陥った高校を立て直すために、生徒たちとともに奮闘する姿を描いた本作。西田は組長の阿岐本雄蔵を、西島は組のナンバー2で若頭の日村誠司を演じる。

 西田と言えばコミカルな演技から、重厚な芝居までどんな役柄でも圧倒的な存在感を出す大ベテラン。西島は「作品名を出すのもおこがましいですが、僕はこの映画は『釣りバカ日誌』meets『アウトレイジ』というイメージがあり、西田さんはものすごく楽しい部分と、真剣に戦う部分の両方を映画の中で表現されていて。そんななかで、自分にヤクザの若頭が務まるのかというプレッシャーがありました」とオファーを受けたときの率直な胸の内を明かす。

 それでも西島は「ヤクザとはいうものの、ファンタジー要素も強く“全員善人”という特殊なヤクザ。そこを西田さん自身がしっかり体現されているので、そこについていければ……」と不安は消し去って現場に臨んだ。

 2013年放送のNHK大河ドラマ「八重の桜」で共演経験があった西田と西島。本作でも、西田の圧倒的な存在感に驚きを隠せなかったという西島は、「シーンの終わりに、絶妙なアドリブがバンバン入ってきます。同時に、シリアスな部分でも説得力を持ってアドリブを入れてこられる。その西田さんのひと言で物語やキャラクターが膨らむんです。すごく勉強になりましたが、参考にもならない、まねもできない」と脱帽する。

 西島の発言に照れ笑いを浮かべていた西田。こうしたスタンスをとるようになったのは、若かりし頃、先輩からかけられた言葉が大きく影響しているという。

 「最初の劇団時代(青年座)、脚本家の書いたセリフは宝だから、一行たりとも崩してはいけないと教わったので、真面目な芝居をしていたんです。そうすると『お前の芝居はつまらない』と言われる。そんなとき、一度だけセリフは変えずに、長谷川一夫という俳優さんの物まねをしたら、劇評で『西田敏行という役者は面白い』と書かれたんです。その劇評を見たある先輩が『うまいとか見事だという褒められ方をする俳優は世の中にたくさんいるけれど、面白いと評価される人はめったにいない。これからお前が役者として生きていくうえで“面白い”を命題にしろ』と言われたんです」(西田)

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