【中国映画コラム】外国人記者として見続けた東京国際映画祭 発展のポイントは“開催地に住む人々”

映画.com / 2019年11月30日 9時0分

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第24回釜山国際映画祭の様子

 北米と肩を並べるほどの産業規模となった中国映画市場。注目作が公開されるたび、驚天動地の興行収入をたたき出していますが、皆さんはその実態をしっかりと把握しているでしょうか? 中国最大のSNS「微博(ウェイボー)」のフォロワー数270万人を有する映画ジャーナリスト・徐昊辰(じょ・こうしん)さんに、同市場の“リアル”を聞いていきます!

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 「お待たせいたしました! ようやく海賊版のお話を――」と言いたいところなのですが……申し訳ございません! もう少しだけ延期させてください。今回、どうしても東京国際映画祭について語りたかったんです。中国の記者として、同映画祭の取材をするのは、今年(第32回)で9年目になりました。私にとっては縁のある場所であり、お世話になった映画祭でもあります。だからこそ、ひとりの外国人記者として、東京国際映画祭のことを話したいと思っていました。

 初めて東京国際映画祭に参加したのは、第24回開催時のこと。まだ“グリーンカーペット”の時代ですね。当時、国際映画祭に参加することが少なかった私にとって、同映画祭は“おしゃれ”“スタッフの方々が非常に親切”というイメージでした。そこから9年間、イベントに参加するだけでなく、約60人ほどの個別取材も経験させていただきました。数多くの日本人監督、映画人とお話ができたことは、貴重な財産になっています。ただし「海外報道システムとの違い」「秋季開催の難しさ」といった改善すべき点を、年を追うごとに実感していったというのも事実です。

 海外のマスコミとして、最も不思議に感じてしまったのは、報道の体制です。日本の芸能界には、様々なルールがありますよね。この事自体を批判するわけではありません。おそらく、どの国にも“その国なりのルール”があると思います。ただ、国際映画祭という場では、より“国際的な対応”をしていかないと、誤解を招くことになると思います。数年前、オープニングイベントで、ある国民的アイドルグループがレッドカーペットを歩きました。海外のマスコミにとっては、注目の的。しかし、当時は“彼らの写真をネット上に掲載できない”という制約があり、海外のマスコミと取材担当者との間でトラブルが起こってしまいました。

 この件について考えてみた時、映画祭サイドの問題ではなく、根本的に言えば“意識”の問題なのではないかと思いました。私は映画祭だけでなく、映画の公開を記念したイベントや舞台挨拶も取材することがあります。でも、日本では「取材可能」という返事をもらうことが大変で、大変で……、色々な壁を乗り越えなければ、取材現場にたどり着くことができないんです。そんな時、ふと思うんです。多くの映画関係者は、海外を意識していない、もしくは無関心なのではないかと。

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