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ハリウッド俳優・尾崎英二郎が明かす、絶賛相次ぐ「SHOGUN」の貴重な舞台裏 真田広之への敬意も語る

映画.com / 2024年4月6日 8時0分

●“日本人の眼”を重要視…ハリウッドに「新たな視点」を与えたクリエイターと制作陣

 本作のトップクリエイターであるジャスティン・マークスさん(編集部補足:マークスは「トップガン マーヴェリック」の原案でも知られる)は、本作を手掛けるにあたり、これまでハリウッドの産業が正しいと信じてきた“多様性”では不十分で、日本人の眼で捉えた解釈を映し出してこそ、新たな時代に見合うものができると創意を語り、同トップのレイチェル・コンドウさんも、日本人キャストたちが作品に注ぎ込んだ才能や心に感謝してくれています。

 だからこそ、主演・製作をかねる真田広之さんと、そして国際的なプロジェクトを多数制作してきた宮川絵里子さんとの初の布陣であったにも関わらず、数年間に亘って皆が同じ方向性を目指し、「かつてない視点」を生み出すことができたのだと思います。

●セリフの7割が日本語 脚本チームと翻訳担当のすごみ

 「戦国の世」といえば、武将たちによる合戦の場がハイライトとなり、男たちのエピソードに偏るのが常ですが、本作では吉井虎永や、石堂和成(石田三成がモデル)や配下の者たちの懐の読み合いや野心だけでなく、理不尽な時代の習わしや掟の中で強く生き抜く戸田鞠子や落葉の方や宇佐見藤など女性たちの掘り下げ方が際立っています。

 また、数多くのキャラクターたちが登場するにも関わらず、「人名紹介のテロップ」に頼ることが一切無く、誰がどのような地位や役職で、どうお互いが絡み合っていくかがセリフの中にしっかりと織り込まれ、観ている側に伝わるように書かれています。

 セリフの7割が日本語となる本作でそれを可能にした米国の脚本チームの執筆力と、入念に英語から日本語、さらに時代劇の言葉への変換を成し遂げた北米と日本の翻訳担当の方々には舌を巻く思いです。

●ここまでのこだわりが詰まってるとは…! 衣装とセット美術と視覚効果のすごみ

 新版「SHOGUN 将軍」は、全編をカナダのロケ地とスタジオ内のセットで撮影していますが、そのスケールは驚くべきもので、その予算は計り知れません。おそらく僕がこれまで携わったどの映画やドラマシリーズよりも、大きな製作費が投じられています。

 見事な衣装の数々を手がけたデザイナーのカルロス・ロザリオは、なんと2300点もの作品を本作のためにデザインしたそうですが、嬉しかったのは第6話のわずかな回想シーンのための黒田の衣装が、単に“城主や君主らしい”ものであることに留まらず、ちゃんと織田信長についての下調べがされており、そのイメージが着物の色に反映されていたんです。

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