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「オッペンハイマー」の映画的価値は? 原田眞人監督&森達也監督が解説

映画.com / 2024年4月8日 13時0分

 だからこそ原田監督は「オッペンハイマー」を観る前に「中途半端に広島に踏み込んでくれなければいいな」と思ったという。しかし映画を観て「広島に対する彼の罪の意識はしっかり描かれている」と評価すると「『我々は世界の破壊者になった』というアインシュタインと、彼を引き継いだオッペンハイマーの二人のチェンジアクションを完璧に描いている。そこに僕は胸を打たれました」と語っていた。

 原田監督が構想する三部作のひとつ。自身がすでに脚本まで書いているというが「もちろんやりたいですが、日本のお金だけではできない。原爆の被害者は日本人だけではなく、米軍捕虜もいれば、朝鮮人もいた。東南アジアの留学生もいたし、ペドロ・アルペさんという素晴らしいスペイン人の神父さんもいました。こうした人たちをすべてタペストリーとして描く広島の被爆映画。30億、40億というお金がかかる。でも『オッペンハイマー』が道を開いてくれたので、いつかこの映画を作るぞという気持ちになっています」と胸の内を明かしていた。

 映画を観て改めて「ノーランは天才」と語った森監督。しかし一方で「天才ではあるけれど、相当乱暴です」と笑うと「『テネット』はいまだに最後まで観られない。何がなんだか分からないから。ノーランというのはそういうところがありますよね。映画に説明過多は必要ないと言いましたが、もう少し説明したら……というところがある。客を置いていってしまう。この映画にもそういうところがありますよね。天才ゆえなのかな。羨ましいですね、周りを気にせずにできるのが」と発言し会場を笑わせていた。

 最後に森監督は「以前から核抑止なんてありえないと思っていたけれど、プーチンが核兵器の使用をほのめかしたとき、核抑止理論は崩壊したと思う。それでも日本はいまだに核兵器禁止条約に批准すらできない。核保有国は矛盾するので分かりますが、日本は唯一の被爆国で核を保有していない。この映画で広島や長崎の描写が足りないと怒っている意見がありますが、何で核兵器を禁止しましょうという条約に日本が調印できないのかという疑問に対して声をあげるべきだと思います」とメッセージを送っていた。

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