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沖縄国際映画祭、16回で幕 なぜ沖縄の人々の心をつかんだのか振り返る

映画.com / 2024年4月23日 16時0分

 そしてその後、ステージは暗くなり、沖縄国際映画祭のテーマソングであるBEGIN with アホナスターズの「笑顔のまんま」が鳴り響く中、スクリーンには第1回から現在までの映画祭のダイジェスト映像を上映。映像を観た観客は笑顔を見せながら、それぞれに映画祭への思いをめぐらせているようだった。

 なお、ここからは余談を少々。このステージで、かりゆし58の前川真悟が語っていたMCが印象的だったので引用する。「僕はこのイベントがとても好きです。たくさん理由はあるんですが、とても印象的なのが今から13年前。2011年3月に開催された国際映画祭でした。当時、東日本大震災で日本中、世界中がかたずをのんで。そんなことをやっている場合じゃないから自粛しましょうという流れが世の中に蔓延していました。その中でもこのイベントは、こんな時だからこそ、ひとつでも多くの笑顔をつくるのが大事じゃないかと言って決行しました。なんかこういうことのために、この島で生まれた祭りがエネルギーを発するのはとてもいいなと誇らしく思いました」。その思いは今でも変わらず、地震で大きな被害を受けている能登半島へ思いを馳せた。

 あの当時のエンタテイメントをめぐる状況下では、誰もが絶望感や無力感を抱き、「自分たちになにができるのか」と自問自答していた。そんな時にこの映画祭はこう語っていた。

 「私たちにできることが、きっとある」。その時は売り上げの一部や支援物資、そして会場で観客から義援金などを集め、被災地に寄付された。振り返ってみると、エンタメに関わる多くの人たちが、あの頃を境に下を向かず「私たちにできることが、きっとある」と模索を始めたように思う。映画祭の会場では毎年どこでも「笑顔のまんま」が流れていたが、この曲を聴くたびにあの時のことを思い出す。(取材・文/壬生智裕)

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