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【第77回カンヌ国際映画祭】奥山大史監督「ぼくのお日さま」にスタンディングオベーション、山中瑶子監督「ナミビアの砂漠」も好評価

映画.com / 2024年5月20日 16時0分

 ちなみに今年のカンヌの公式ポスターは、黒澤明の「八月の狂詩曲」だが、この作品の制作総指揮を務めたのが奥山監督の祖父だという。池松は、「奥山監督は自分で言いたがらないかもしれませんが、こういう年にこの映画が披露されたというのは、やはりカンヌに呼ばれたのだという気がします」と明かした。

 一方、カンヌの併設部門の監督週間では17日に、山中瑶子監督の「ナミビアの砂漠」がプレミア上映された。

 ベルリン国際映画祭に出品された自主映画「あみこ」(2017)に続く、山中の商業映画1作目となる本作は、日常に鬱屈を感じながらも現状を変えられないヒロイン、カナを独創的なタッチで描く。「あみこ」を観て女優を目指すようになったという河合優実が、カナの行き場のないエネルギーを全身に滲ませたパワフルな演技を見せる。

 フランスの日刊紙リベラシオンは、「間違いなく素晴らしい作品」と評価。他にも「俳優たちの的確な演技に支えられた魅力的な作品」(Letterboxd)、「生々しくダイナミックで、若い監督らしい作品」(FilmVerdict)といった好評価が上がった。

 現地には、山中監督、河合とともに、共演の金子大地、寛一郎が顔を揃え、上映後に日本のマスコミの取材に応じた。

 山中監督は、「上映後、お客さんたちが素直な感想を伝えにきてくれて、細かい指摘なども頂き、とても良かったです。まったく知らない人ばかりなのに、ダイレクトな反応に驚きました。パリから来たという二十歳の女性は、『美しい映画だった』と言ってくれて、喋ろうとすればするほど涙を流していて、自分はなんと答えて良いかわかりませんでしたが、とても美しい光景でした」と、感じ入った様子だ。河合は、「観ているお客さんの空気を感じ取れたのが本当に嬉しかったですし、上映が終わったあと、興奮して心臓がばくばくしていました。この映画は、何かに諦めているような東京のZ世代のポートレートですが、こちらのお客さんもそれを汲み取ってくれたようで嬉しいです」と語った。

 また金子と寛一郎はそれぞれ、「お客さんの反応が良くて、笑いが起きていたことも印象的でしたし、いい映画だなと感じました。とても貴重な経験をさせて頂きました」(金子)、「この映画は今日の日本の若者の恋愛の話で、海外の人にどう受けるのかが気になっていたのですが、笑いのツボが異なって、日本人が笑うところで笑わなかったり、笑わないところで笑ったり、それを一緒に体験することができて素晴らしかったです。みなさんに好評で一安心しました」(寛一郎)と、手応えを感じた様子で笑顔を覗かせた。(佐藤久理子)

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