「BABEL LABEL」所属・原廣利監督に注目! 杉咲花主演「朽ちないサクラ」では“サクラ”の恐ろしさを表現
映画.com / 2024年5月26日 11時0分
![写真](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/eigacom/eigacom_20240526006_0-small.jpg)
(C)2024 映画「朽ちないサクラ」製作委員会
「孤狼の血」「佐方貞人」「合理的にあり得ない」など数々の著作が映像化されている柚月裕子氏による小説を、杉咲花主演で実写映画化した「朽ちないサクラ」(6月21日公開)。同作の監督を務めたのは「BABEL LABEL」に所属している原廣利。本記事では、初披露となるメイキング写真とともに、原監督の“才能”にフォーカスする。
原作は「サクラ」シリーズのはじまりとなる作品。本来は捜査する立場にない県警の広報職員のヒロインが、親友の変死事件の謎を独自に調査し、事件の真相と公安警察の存在に迫っていく異色の警察小説だ。発行部数は続編の「月下のサクラ」と合わせて累計40万部を誇る。
愛知県平井市在住の女子大生が、度重なるストーカー被害の末に殺害された。地元新聞の独占スクープ記事により、警察が女子大生からの被害届の受理を先延ばしにし、その間に慰安旅行に行っていたことが明らかになる。県警広報広聴課の森口泉(杉咲)は、親友の新聞記者・津村千佳が約束を破って記事にしたのではないかと疑うが、身の潔白を証明しようとした千佳が変死体で発見される。自責と後悔の念に突き動かされた泉は、自らの手で千佳を殺した犯人を捕まえることを誓う。
数々のドラマや映画などハイクオリティな映像作品を世に送り出し、昨年1月からNetflixと戦略的パートナーシップを締結するなど、注目を集めているコンテンツスタジオ「BABEL LABEL」。原監督は、「余命10年」「青春18×2 君へと続く道」などで知られる藤井道人監督らと共に初期メンバーとして活動してきた人物だ。
「ウツボラ」(23年/WOWOW)や撮影監督も務めた「日本ボロ宿紀行」(19年/テレビ東京)など多くのドラマ作品を演出。「帰ってきた あぶない刑事」で映画監督デビューを飾り、「朽ちないサクラ」は長編映画として2作目となる。
原監督は、本作の原作小説を読んだ際「これは実写でも表現したい! 何より自分が観てみたい!」と感じていたようで、謎が多い“公安”という組織をあぶり出すという物語をスリリングなエンタテインメント作品に昇華してみせた。また、映画化にあたり、原作では多くは触れられていない“桜”にもこだわり、岡崎市周辺で桜の季節にオールロケでの撮影を敢行。静かに開花を待つ蕾から美しく咲き誇る満開の桜へと移り変わる様子が、劇中で映し出されている。
また“桜=美しいもの”というだけでなく、警察用語で公安のことを“サクラ”と呼ぶことから、綺麗なものに隠された光と影の部分を象徴するものとしていかされている。原監督は「ただ美しいだけではなくて、登場人物たちの周りを桜が囲んでいる、『サクラ』に見られている感じを表現していきました」と得体のしれない恐ろしさを表現したようだ。
メイキング写真は、そんな原監督と主要キャストの姿をとらえたもの。主人公の森口泉を演じる杉咲とは今回が初タッグとなり、原監督は杉咲に主演としての大きな信頼を寄せていた。口数の少ない泉だが、一つ一つの行動やセリフについて2人でディスカッションを重ね、丁寧に“森口泉”像を作りあげる。杉咲は泉の感情の機微を目や表情で体現。更に、泉のバディで一緒に捜査をする磯川役を演じる萩原利久、県警捜査一課の梶山役の豊原功補、泉の上司で元公安の富樫を演じる安田顕が、原監督とそれぞれシーンについて作り込む撮影現場での様子が切り取られている。
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