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犬童一心監督が手掛ける狂言師・野村万作の芸を後世に伝える記録映画

映画.com / 2024年5月30日 9時0分

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「川上」野村万作 (C)「万作の会」

 犬童一心が脚本・監督を務める、狂言師・野村万作の芸を後世に伝えるドキュメンタリー映画「狂言『川上』」の製作プロジェクトがスタートする。

 「狂言」は、650年以上にわたり、生きとし生ける者の喜怒哀楽を笑いと共に表現し、人々の心を魅了し続けてきた日本が世界に誇る伝統芸能。狂言「川上」は“笑い”をテーマにした一般的な狂言とは異なり、ある夫婦の運命の選択を描くシリアスな物語だ。

 今年芸歴90年を迎える野村万作(二世)は昨年文化勲章を受章。今回の映画は、人間国宝の野村万作(狂言方和泉流能楽師)が磨き上げてきた珠玉の狂言「川上」を物語の原風景と共に収録し、追い求めてきた「狂言」の真髄を映像に記録するもの。野村万作が監修を務め、野村萬斎も出演する。

 犬童監督は、野村萬斎の主演映画「のぼうの城」(2012)を手掛け(樋口真嗣と共同監督)、能・狂言への深い造詣を持ち、近年は世界的ダンサー・田中泯を追ったドキュメンタリー作品「名付けようのない踊り」も高い評価を得ている。「野村万作師の狂言を追いかけはじめてそろそろ15年になろうとするその時、万作先生から、こういった提案をいただけたことはこれ以上ない名誉と思っています。能楽堂を舞台に、『中継』ではない、『映画』としての表現をどこまでできるか、万作先生、そして『のぼうの城』の尊敬する野村萬斎さんのお力を借り、挑んでいきたいと思います」とコメント。

 「野村万作師 文化勲章受章記念狂言会 狂言、舞歌と講演」が、東京・水道橋の宝生能楽堂で6月22日に開催される。この日は野村万作の93歳の誕生日で、映画の撮影もここからスタート。アニメーションの制作もあり、年内完成を目指す。

 なお、本作の製作を支援するクラウドファンディングを6月22日から実施する(8月19日まで)。目標金額は600万円。最新情報は「万作の会」(https://www.mansaku.co.jp)を参照。

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