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「アニマル ぼくたちと動物のこと」監督が製作を述懐「私にとっても発見の旅だった」

映画.com / 2024年6月1日 10時0分

 その思惑に則って撮られた彼らの正直な反応は、観客の心も動かすに違いない。畜産現場では劣悪な環境に驚愕しつつ、自分たちが生きる為に効率的な飼育をせざる得ない彼らの胸の内を知る。欧州議会では、私利私欲を優先し乱獲対策に乗り出さない議員を追及すべく突撃取材も試みる。一方で、チンパンジー研究の第一人者ジェーン・グドールやコスタリカ共和国前大統領ら、すでに人間と動物の共生に取り組んでいる有識者らと対面し、彼らの含蓄ある言葉に瞳を輝かせた。

 撮影中、ディオン監督は2人に取材で感じたことを日記に綴るように要望し、感想は編集やナレーションに生かされているという。ディオン監督は「彼らには強烈な体験をすることで視野を広げて欲しいという思いがありましたが、期待通りとなりました。中でも人間に憎悪を抱いていたベラが、哲学者のバティスト・モリゾから『人も生き物。生き物を保護したいのであれば、人間もその一部』と諭される場面は大きな気づきとなりました」。

 本作は22年のカンヌ国際映画祭で上映され、反響を呼んだ。その後ベラは、書籍「The Children of the Anthropocene」(人新世の子供たち)を出版し、環境保護活動家の新世代のリーダーとして注目されている。ドキュメンタリーの製作にも挑んでいるようだ。一方のビプランも著書「Autonomies Animales」(動物の自主性)を出版し、大学で学びながら環境保護活動を続けている。

 ディオン監督は現在も2人と連絡をとっているそうで「ビプランは気候問題の専門家になりたかったようだが、今回の体験でそれが全部ぶっ飛んでしまったようだ(苦笑)」と目を細めながら近況を語った。地球の未来を考える映画で、2人の成長が何よりの希望の光となったようだ。

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