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「ぼっち・ざ・ろっく!」劇場総集編、公開規模は大きくないけど週末ランキング1位になれる? ポテンシャルを紐解く【コラム/細野真宏の試写室日記】

映画.com / 2024年6月8日 5時0分

 本作はアニメーションなので、その面白さを、見た目においても、より面白く表現できていました。終始、やり取りのひとつひとつが楽しいのです。

 そのような登場人物のキャラクター設定の面白さに加えて、本作のメインの題材にも注目しました。それは、女子高生による「ガールズバンド」です。

 女子高生によるガールズバンドといえば「けいおん!」がありました。実は、「けいおん!」も芳文社の月刊4コマ漫画誌から生まれていたのです!

 「けいおん!」と「ぼっち・ざ・ろっく!」は、そういう意味で言えば似ている面がありますが、「けいおん!」はタイトルのように高校の部活動の「軽音楽部」が舞台となっています。

 一方の「ぼっち・ざ・ろっく!」は、ライブハウスを中心に活動するバンドという感じで棲み分けができているように思えました。

 アニメーションにおける作画のクオリティーは、どちらも安定していましたし、イイ線を行っていると思います。

 個人的には、キャラクターの個性が爆発している「ぼっち・ざ・ろっく!」の方に、よりポテンシャルを感じます。

 ちなみに、「けいおん!」の場合は、テレビアニメを2期やった後で「映画 けいおん!」が公開され、公開規模が140館程度にもかかわらず興行収入19億円まで到達しました。

 「ぼっち・ざ・ろっく!」もそれほど遠くないうちに本格的に映画化されるように思えるので、それも期待して待っていようと思います。

 強いて言うと、個人的に引っかかったのは、後半で出てくる、あるキャラクターの「多くの不安の中の1つ」に、しれっと年金が入っているシーン…。

 制作者も含めて、なかなか年金の仕組みの理解が進んでいないことを痛感しました。

 実は、年金の不安や不満は、キチンと仕組みを知ることができれば自然と消えていくものなのですが、なかなか教育が機能しない特殊な分野なのです。

 そういう仕組みを学校で教える必要があるので、まさに2022年4月から高校の必修科目に「公共」という新科目が設けられ、今は学校でも学べるようにはなってきているのです。

 ただ、そこで教えられている教科書を見ると、(一歩前進であることは認めますが)イマイチですし、まだまだ「年金」の教育問題は続きそうですね。

 さて、冒頭でも書いたように、ここのところの映画の作品力が、ややパワー不足な面は否めません。

 そのため、本作のように、公開規模が130館程度と小さめなテレビアニメの総集編映画であっても週末動員ランキングの上位に来ることは無理ではなく、本作の場合は、ひょっとしたら1位にすらなり得るのかもしれないのです。

 もし週末動員ランキング1位になれたら、それは週末ランキングの記録に残り続けます。

 果たして今後「ぼっち・ざ・ろっく!」というコンテンツがどういう位置まで行けるのか――注目し続けたいと思います。

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