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田中泯、ドイツの芸術家アンゼルム・キーファーとヴェンダース監督との交流語る 共通点は「戦後ゼロ年」生まれ

映画.com / 2024年6月8日 16時30分

 映画「アンゼルム“傷ついた世界”の芸術家」について問われると、「キーファーは映画監督になりたかったらしいんですよ。それはヴェンダースもそんな話をしていて、相当の昔からキーファーとヴェンダースは、ずっと交流を続けていて、それがベースでこの映画ができたんだと思います」とコメント。

 「この人は俺に近い人なんじゃないかと思ってしまったのは、そういう時代に生まれたことが特殊なことでは決してなくて、人間の歴史の中の、ある一コマな訳じゃないですか。でも繰り返し繰り返し人類は悲劇を創造している訳ですよね。それに対する『ムカムカ』って僕は言うんですけども、子供として大人に対して『ムカムカ』する。どんな瞬間でも大人が社会を動かしているんですね。だから大人っていうのはいつまで経っても良くないんですよ。体のどこか奥の方に『ムカムカ』したものを抱えている人っていうのは、“匂う”んですよね。そういう人たちほとんどが子供っぽいんです(笑)子供みたいに戯れあって、冗談を言える。キーファーって哲学者みたいな顔してるじゃないですか? でも、ものすごいダジャレ言いますよ(笑)。あと、めちゃめちゃ体が強いんですよ。一緒に山を歩くんですけど、キーファーは全然疲れない」

 そして、戦後ドイツのタブーとされている歴史をあえてモチーフにするキーファーの作風やアトリエについてこう述懐する。

 「東京ドームの何十倍かな。そこに50いくつかの貯蔵庫というか、ガラスハウスっていうか……その中に巨大な絵があって見れるようになっていて、見上げるほどデカい絵がいっぱい。もう、巨大なミュージアムです」

 「ドイツでは彼は裏切り者……戦後ドイツでは邪魔者扱いというか、バッシングされた時期もあって、映画でもそう言ってますよ。ヒトラーを忘れちゃダメだって、こういうパフォーマンスをするんですよね(右腕を掲げる)。その時は誤解を恐れずやるんですよ、写真に残して」

 「一瞬なんですけども、(映画の中で)キーファーが斜めのワイヤーを綱渡りしてるんですよ。ひっかかるんですよね。なにか、エッジ(縁)をやっとこすっとこ歩いている感じがしないでもないな。ちょっとバランスを崩すと落ちる。バルジャックの彼の半数くらいの作品が見られるアトリエは、実は地下道で繋がっているんです。すごいです。最初は大型の重機で掘り始めるんだけども、途中から手掘りなんですよ。いまだに掘ってるんです。これをキーファーは『オーディトリアム』って言うんです。アンダーグラウンドです。要するに作品と作品の間を行き来する時に、サロンなんかを通るな、地下道を通れって、そう言うメッセージを受け取りました」と感想を語った。

 映画は6月21日から、TOHOシネマズ日比谷ほか全国順次公開。

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