1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 芸能
  4. 映画

村上春樹、唯一映画化してほしい長編作品は「アンダーグラウンド」 原作の映画化に期待することは?

映画.com / 2024年6月17日 13時0分

村上春樹、唯一映画化してほしい長編作品は「アンダーグラウンド」 原作の映画化に期待することは?

(C)2022 Cinema Defacto - Miyu Prodcutions - Doghouse Films - 9402-9238 Quebec inc. (micro_scope - Prodcutions l’unite centrale) - An Origianl Pictures - Studio Ma - Arte France Cinema - Auvergne-Rhone-Alpes Cinema

 作家の村上春樹氏が、6月15日に母校である東京・早稲田大学大隈記念講堂で行われたアニメーション映画「めくらやなぎと眠る女」のイベントに登壇。自身の原作を始めてアニメ映画化したピエール・フォルデス監督との対談に参加し、映画化への思いを語った。

 本作は、フォルデス監督が村上氏の6つの短編(「かえるくん、東京を救う」「バースデイ・ガール」「かいつぶり」「ねじまき鳥と火曜日の女たち」「UFOが釧路に降りる」「めくらやなぎと、眠る女」)を翻案し、2011年の東日本大震災から5日後の東京に生きる人々を描いた物語。大地震によって人生に行き詰まっていることにすら気付いていなかった人々が、自己のなかの真実を見つめる。早稲田大学国際文学館の「初夏の文芸フェスティバル」のなかで行われた本イベントには、村上氏との共著もある翻訳者の柴田元幸氏、同大学の権慧助教授も登壇した。

 最初に、映画の感想を問われた村上氏は、「僕、2回見たんだけど、とても楽しく見ることができました。僕、アニメの映画は正直言って、あまり見ないんです。どうしてかは分からないんだけれど、あまり興味が持てなくて。でも、アニメだということを意識しないで見ることができて、面白かったです」と語る。そして「ずっと昔に書いた短編なので、何書いたか、覚えていないんですよね。次どうなるのか、全然分からなくて。これは映画のためのオリジナルのシーンなのか、僕が書いたシーンなのか、違いも分からなかった。だから、すごく面白かったです」と、新鮮に楽しんだことを明かし、会場は笑いに包まれた。

 話題は、劇中に登場し、原作ファンの人気も高いキャラクター、“かえるくん”について。村上氏は、「かえるくん、東京を救う」が所収された短編集「神の子どもたちはみな踊る」の制作時を振り返り、「6つか7つ、小説が入りますので、それぞれに個性的な違いを作っていかないと、難しいんですよね。皆、退屈しちゃうから。そうしているうちに、変なものが出てくるんですよね。本作の場合だと、かえるくん。どうしてかえるくんが出てくるのか、いまとなっては全く思い出せないんだけれど。書いているうちに、かえるくんが出てきて。2階から侵入してくるみたいに。僕、文芸誌にその短編を連載していたので、編集者が『ちょっとこれは…‥』と首をひねっていて。いわゆる純文学から離れたスタイルだったので。でも、本にしてみると世界中で、かえるくんが1番うけるんですよね。僕も好きだし」と、愛着をのぞかせる。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください