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リアルかつ悪夢的なアメリカの崩壊像 野心作「CIVIL WAR」で描かれる“恐るべきシミュレーション”【ハリウッドコラムvol.354】

映画.com / 2024年6月19日 9時0分

 「CIVIL WAR(原題)」はアメリカを舞台にしたディストピアもので、ガーランド監督はゾンビもエイリアンも出さずにスリリングに仕上げることに成功している。だが、アメリカの分断を題材にしながら、根本原因に切りこんでいない点が気になった。リベラル・保守双方の観客に配慮しすぎているのだ。ウエスタン・フォースを構成するのが、青い州のカリフォルニアと、赤い州のテキサスであるのがいい証拠だ(ぶっちゃけ、この二州が共闘するなど考えられない)。

 そうした配慮のおかげで、「CIVIL WAR(原題)」は、米共和党支持者、米民主党支持者のどちらからも批判されず、結果的に米国国内で6000万ドル、世界総興収1億1400万ドルのヒットとなった。

 個人的には内戦の原因が不明で、おまけに現実の対立軸が意図的に排除されているため、シミュレーションをみせられているような気がした。昨年大ヒットした「バービー」が保守的価値観に真っ向から挑んで社会現象になったことを考えれば、「CIVIL WAR(原題)」にもう一歩踏み込む勇気があれば、単なるアクションスリラー以上になっていたかもしれないと思えるのだが。

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