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「映画クレヨンしんちゃん オラたちの恐竜日記」は“歴代シリーズ新記録”達成なるか?【コラム/細野真宏の試写室日記】

映画.com / 2024年8月9日 11時0分

 まずは、何といっても制作体制に余裕ができたことでしょう。

 通常のアニメーション映画は、こだわりすぎるとキリのない面もあるため、とにかく余裕がなくて完成が公開のギリギリになってしまうケースが、ある意味で「平常運転」だったりもします。

 そんな中、 「映画クレヨンしんちゃん オラたちの恐竜日記」で驚いたのが、試写の開催が公開ギリギリどころか、なんとGW後の5月13日には試写案内が届いたのです!

 これは、前作3DCGアニメーション版「超能力大決戦 とべとべ手巻き寿司」の効果と言えそうです。

 というのも、通常のアニメーション映画と、番外編の3DCGアニメーション版とは基本的にはスタッフが異なるため、通常のアニメーション映画の方に余裕が生まれたのです。

 このような効果があると、制作にゆとりが生まれて、作品のクオリティーが上がる面も期待できます。

 さらに本作は、「バカうまっ!B級グルメサバイバル!!」(2013年)と「もののけニンジャ珍風伝」(2022年)という名作を手掛けた佐々木忍監督作品なので、より期待ができる面もあるのです。

 実際に作品を見てみると、恐竜を題材に、「トンデモ感」のある設定ではなく、地に足のついた上手い構成で、本作も名作の部類に入ると思います。

 そうなると興行収入にも期待がかかりますが、上手くいけば歴代最高を狙えるのかもしれません。

 「映画クレヨンしんちゃん」シリーズの歴代最高の興行収入は、「オラの引越し物語 サボテン大襲撃」(2015年)が記録した22.9億円となっています。

 ただ、昨年公開された「しん次元!」版も含めると、「超能力大決戦 とべとべ手巻き寿司」の興行収入は24.7億円と、さらに上になっています。

 「しん次元!」版は、「ドラえもん」でいうところの「STAND BY ME ドラえもん」シリーズのようなものなので、現状の「映画クレヨンしんちゃん」シリーズの歴代最高興行収入は22.9億円と言えます。

 以上の流れを踏まえて考えると、やはり「映画クレヨンしんちゃん オラたちの恐竜日記」が新記録を達成する可能性は低くはないでしょう。

 昨年の「超能力大決戦 とべとべ手巻き寿司」の流れがあるので、今年もその層の鑑賞が期待できる面があります。

 そして、作品の出来が非常に良い点もあります。

 その一方で、打って変わって目下の夏休み映画が激戦状態なので、座席や観客の奪い合いが起こっている状態もあり、手放しでは楽観できない状況もあります。

 何はともあれ、「しん次元!」版といったバリエーションの変化は、現状では好循環をもたらすと言えそうです。

 「超能力大決戦 とべとべ手巻き寿司」は、構想を含め、製作期間7年におよんだそうですが、モデリングは作れたので、続編の場合には制作費が1億円程度は減らせると思われます(とは言え、まだまだ制作費が高いのは事実でしょうが)。

 果たして3DCGアニメーション版の「しん次元!」はシリーズ化するのかも含めて、今後の「映画クレヨンしんちゃん」シリーズの行方に注目したいと思います!

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