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【第81回ベネチア国際映画祭】金獅子賞はペドロ・アルモドバル初の英語長編映画、尊厳死を描いた「The Room Next Door」

映画.com / 2024年9月8日 9時30分

 さらに人気度ではアルモドバルやコーベットにも引けを取らなかったウォルター・サレスの「I’m Still Here」が脚本賞を受賞。70年代、ブラジルで実際に起きた軍事政権による議員の拷問死を描いたものだが、この監督らしく政治性と家族のドラマが融合し、エモーショナルに観る者に語りかけてくる。

 また今回のベネチアでは栄誉金獅子賞が、シガニー・ウィーバー、ピーター・ウィアー、クロード・ルルーシュに授与された。

 今年のセレクションはスター・バリューの強い映画が目立った。受賞作品以外にも、マリア・カラスをアンジェリーナ・ジョリーが演じた「Maria」、ダニエル・クレイグがウィリアム・バロウズ原作のホモセクシュアル(クイア)に扮した「Queer」、そしてホアキン・フェニックスとレディー・ガガの「ジョーカー フォリ・ア・ドゥ」などがあった。たんにスター映画というより、彼(彼女)らがリスクを冒して大胆な役柄に挑み、それが魅力を放っているものが目立った。

 ベネチアは年々、アカデミー賞に至る賞レースのキックスタート的なポジションになっているため、これらの作品が今後どのように絡んでくるか、楽しみだ。(佐藤久理子)

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