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【世界の映画館めぐり】スリランカ、国際空港から一番近いローカル映画館でスリランカ映画を楽しもう

映画.com / 2024年9月21日 18時0分

 劇場前で上映開始時間の表示を見つけられず、とりあえずスクリーンのあるビルの2階を上ってみました。すでに映画は始まっていたようでしたが、若い男性スタッフがひとりいたので、今から見られるか尋ねたところ、突然現れた日本人客に驚いたのか「スリランカムービーですよ。OK?」と後ろの扉を少し開けて、スクリーンを覗かせてくれました。初めてのスリランカでスリランカの映画を見られるなんて、願ったりかなったりです。席は空いているのでどこでもよいと言われ、550スリランカルピー(約260円)を支払い、席につきました。

 「Sihina Nelum Mal」という作品で、筆者は裕福そうな夫婦のケンカのシーンから鑑賞。シンハラ語で英語字幕もないため、セリフはわかりませんが、夫は何かの事件に巻き込まれ、妻は子どもを持ちたくても何らかの事情でかなわないことがわかりました。夫婦と彼らを取り巻く人々のさまざまなドラマが繰り広げられます。言葉がわからない分、俳優たちの演技のほか、男性たちがカフェで飲んでいる赤いドリンクはなんだろう…、夫婦の住まいは都会のマンションだけれどもインテリアに日本人形や仏像があるのがなんだか親しみを感じるな…と細部に目が行きます。インド映画のようなダンスシーンはないものの、抒情的でドラマチックな歌が効果的に何度か使われ、登場人物の心情を表しているようでした。

 インド映画ではおなじみのインターミッションが挟まれ、場内が一度明るくなりました。この休憩時にスナックやドリンクを買いに行けるようですが、わたしは館内観察。日本のミニシアターのような感じで(後で調べたところ170席だそう)、ラブストーリーだったからか、客席にはカップル客が数組おり、劇場後方にVIPと書かれた二人掛けソファ席もありました。そして映画は後編に。いつか日本で上映されることがあるかもしれませんので、ネタバレは書きませんが、映画はハッピーエンド。いささか古風な設定ではありましたが、愛し合う男女が結婚し、困難を乗り越えて家族を作る幸せをストレートに描いた心温まるドラマでした。

 そして、ここからが面白い話。この映画のタイトルなど知りたく、自己紹介も兼ねて上映後に入口の青年スタッフに尋ねたところ、「僕のおばが日本に住んでるんですよ!」と速攻でビデオ通話をかけてくれ、千葉に住んでいるというご婦人と日本語で会話することに。テクノロジーの進歩のおかげですね。「お話できてうれしいです、千葉も長い海岸があって、スリランカのようですよね…」とそんなたわいもない会話で終わってしまいましたが、小さな映画館での小さな国際交流を楽しみました。

 東京国際映画祭などをはじめ、日本でもスリランカ映画は時々紹介されているようですが、筆者にとっては今回が初めてのスリランカ映画で、何よりスリランカの映画館で見られたことが何よりうれしかったです。また、コロンボを発つ飛行機の中では、なんと新潟県で撮られた日本との合作映画も発見し、ますますスリランカの映画事情に興味が沸きました。

 というわけで、スリランカ旅行でローカルな映画館を体験してみたいという映画ファンのみなさん、空港からすぐのRuoo Cinema Katunayake、とってもおすすめです。時間によっては、最新のインド映画が上映されているようです。次回はスリランカの大都会コロンボ、とってもラグジュアリーなシネコンでのインド映画鑑賞体験記をお届けします。

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