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【「パリのちいさなオーケストラ」評論】「ボレロ」に魅せられた少女の“ちいさな決意”が生み出した大きな波紋

映画.com / 2024年9月22日 13時0分

 ピアニストで指揮者の父、ヴァイオリニストの祖母、クラシックに造詣の深い家系に生まれたマリー=カスティーユ・マンシヨン=シャール監督は、「現実は想像よりもはるかに強い」と音楽家を演じられる俳優ではなく、ミュージシャンであることを最優先にキャスティングを進めた。フェットゥマを演じたリナ・エル・アラビは「監督はリハーサルを好まず、キャラクターについて話し合った後は、俳優たちに自由な演技を求めた」と即興性を追求するエモーショナルな現場だったと述懐する。脚本の開発に協力した実の姉妹は現場に寄り添い、主演のウーヤラ・アマムラとリナの視界の先で撮影を見守った。

 幼き日、両親が見つめるテレビからラヴェルの「ボレロ」が流れてきた。父の膝に腰掛けて耳を傾けていた少女の手が音の波長に合わせて上下に揺れる。音楽に魅せられて成長したザイアの“ちいさな決意”が、やがて大きな波紋となって世界に広がっていく。若き日の情熱は尽きることなく現在に至る。音楽を愛し続ける姿が明日への希望をもたらす。

(髙橋直樹)

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