原一男監督、「映画のダークサイド」テーマの伊映画祭でアジア人初の栄誉
映画.com / 2024年10月20日 8時0分
ゴールデンリングを授与された原一男監督 撮影:緒方伶香 (c)疾走プロダクション
「ゆきゆきて、神軍」「水俣曼荼羅」などで知られるドキュメンタリー映画の巨匠、原一男監督が10月16日(現地時間)、イタリア・ラヴェンナ・ナイトメア映画祭から第22回ゴールデンリング・スペシャル・エディションを授与された。
ラヴェンナ・ナイトメア映画祭は、2003年に誕生し、ホラーなどのジャンル映画を上映する映画祭として知られていたが、2015年頃からは上映作品の幅を広げ、「映画のダークサイド」に関連する作品であれば、ノワール、犯罪、スリラー、ファンタジー、SFなどを含むイタリア国内外のジャンル映画祭として集めて高い人気を誇る。今回、原監督は、10月15日から19日まで開催中の同映画祭において、過去の4作品を特集上映されるとともに、マスタークラスも行った。
映画祭は、今回の授与にあたり「ラヴェンナ・ナイトメア映画祭が、第22回ゴールデンリングを日本映画界の巨匠、原一男監督に授与することは、大変光栄なことです。原監督は、アジアの映画界において現存する最も偉大なドキュメンタリー映画作家の一人であり、彼の反抗的で革命的な眼差しは、その作家性の特徴です。彼のスタイルが、創造的な自由を特徴とする『アクション・ドキュメンタリー』と定義されているのは偶然ではありません」とその理由を発表している。
映画祭が贈る名誉賞ともいえるゴールデンリングは、過去にはリリアーナ・カバーニ、デビッド・リンチ、ジャン=ジャック・アノー、マルコ・ベロッキオらも授与されており、今回アジア人としては原監督が初の授与となった。また、ドキュメンタリー映画を主に発表してきた映画作家が、ドキュメンタリー映画祭以外でこうした栄誉を受けることも、日頃から「ドキュメンタリーこそエンタテインメントだ」と語る原監督自身「とても光栄なこと」とコメントしている。。
なお、原監督は現在、「水俣曼荼羅2(仮題)」を含む複数の企画を進めており、近日中にはクラウドファンディングも実施予定だ。
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