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原作誕生から100年、オリジナル脚本で映画化 谷崎潤一郎の小説を映画脚本にする男の物語 「痴人の愛」11月29日公開 予告&場面写真

映画.com / 2024年10月21日 17時0分

■井土紀州(監督)

「痴人の愛」を映画化するという話が持ち上がって以来、ずっと僕の心をとらえて離さなかった問題。
それは、ナオミという女がどんな姿をしているのかということでした。
脚本家とシナリオを作りながらも、そのことを考えると悶々とした気持ちになる毎日。
ところが、奈月セナが目の前に現れると、僕の煩悶は一瞬にして吹き飛びました。
たぐいまれな容姿に艶のある声、そして謎めいた雰囲気。
彼女は目の前にいるはずなのに、本当は存在しない夢の女のようでした。
撮影が始まると、被写体としての奈月セナの存在感は抜群で、ナオミというヒロインを見事に体現していました。
映画がクランクアップし、彼女と会うこともなくなった今、僕は思うのです。


彼女は現実には存在せず、夢の中やスクリーンの中だけに生息するマボロシだったのではないかと。

<あらすじ>

かつてシナリオコンクールで受賞したものの、未だプロデビューを果たせずにいる脚本家志望の男・河合譲治(大西信満)。
ある日、同じシナリオ講座に通う若者たちと入った寂れたバーで、譲治はナオミ(奈月セナ)と名乗る美しい女性と出会う。店で働きながら俳優を目指しているという彼女に「シナリオ講座の講師」と勘違いされた譲治は苦笑しながらも、自身の身の上を明かす。
やがて譲治は、シナリオ講座の講師・椿(村田雄浩)に「自分の代わりに映画の脚本を書いてみないか」と誘われる。原作は、谷崎潤一郎の「痴人の愛」……譲治は二つ返事で依頼を引き受け、今度こそ成功してみせると脚本を書き始める。
脚本執筆に苦戦する中で、譲治はナオミと再会し、二人の関係は急速に近づいていく。しかしそれが、ナオミと執筆との間で身を引き裂かれる、甘く、苦く、狂おしい時間の始まりだった……。

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