「母の聖戦」テオドラ・アナ・ミハイ監督、念願の東京国際映画祭に参加がかない感激!
映画.com / 2024年10月31日 18時30分
本作は、移民問題にも言及されている。「わたし自身、共産主義だったルーマニアからベルギーにやってきた移民であり、東欧と西欧の両方に片足を突っ込んでいる存在なので、この映画で語ろうとしていることはよく分かっているつもり」と語るミハイ監督。
「わたしは80年代後半から90年代初頭にかけてアントワープに移住しましたが、当時は極右政党が『ゴミを捨てろ』というスローガンを掲げていました。そのスローガンが書かれていたパンフレットが郵便受けに入っていたのを目にしたこともありましたが、当時は10代前半だったので、なんでわたしたちがゴミ呼ばわりされないといけないのか、という思い出があります。わたし自身は育ちは西洋でしたが、親は生まれ故郷の訛(なま)りがとれないままに移住してきたということもあるので。社会の不正に苦しめられてきた、という経験は親の方がより強く感じていたと思います。そういう意味で、親の移民としての視点というのが、わたしの作品づくりのインスピレーションの源になったともいえます」
そしてあらためて「日本に来られてワクワクしています」と語ったミハイ監督。「映画を勉強していた頃から、日本のいろんな作品を観てきました。黒澤明監督の作品はもちろんのこと、最近の作家ですと是枝裕和監督の作品などからも大きな刺激を受けています。(ミハイ監督の2014年の初監督ドキュメンタリーである)『Waiting for August(原題)』は、是枝監督の『誰も知らない』からインスピレーションを受けているんです」と日本映画への思いを語った。
第37回東京国際映画祭は、11月6日まで開催。
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