遂に最終章「スマホを落としただけなのに」 3作品で1番面白いのはどれ?【コラム/細野真宏の試写室日記】
映画.com / 2024年11月1日 10時0分
「スマホを落としただけなのに 最終章」の主役となるのは、天才的なハッカーで連続殺人鬼である「浦野」。第2弾のラストでは、海を越えて中国あたりに行っていましたが、最終章の舞台の1つは韓国になっています。
そして、もはや第1弾の「日常的なスマホの危機」からは物語がかけ離れて大きくなり過ぎた感があるので、ここで「終結」というのも良い判断だと思います。
しかも評価すべきは、物語の規模は大きくなっていっても、キチンと第1弾の登場人物、第2弾の登場人物、最終章の登場人物が、無理なくそれぞれの役割を上手く担っている点です。
そして第3弾も、私は意外と気に入っています。
そこで、「そもそもどれが1番面白いんだろう?」と思い、これを機に一気に3本を見てみました。
第1弾については、前回の反省を活かして「脳の解像度を100」から「脳の解像度50」くらいに落として、ぼんやりと眺めるようにして見てみました。
すると、「ちょっと終盤は展開が早過ぎて分かるような、分からないような」という感じでしたが、強烈なツッコミがおさまったぶん違和感が減りました。
そうなると感想も「まあアリかな」というポジティブなモノに変化しました。
第2弾についても同様に見てみると、暗号通貨とかのくだりが、(知識がないと)やや難しいのかもと感じました。
第3弾については、現実的にはリンクしない無理のある部分もありましたが、映像の妙もあり上手く映像化に成功しています。これも深く考えずに見ればそれなりの満足感が得られると思いました。
つまり、割と要素を詰め込んだ脚本は3作すべてに共通していて、詰まるところは、内容の親和性で好みが分かれるのかもしれません。
そのため、タイトルも含めて“日常的な恐怖"を描き切った第1弾の求心力がベストになるのでしょう。
そう考えると、なかなか続編で第1弾を超える結果にはなりにくく、第2弾は、前作の7掛けで興収13.7億円くらいが順当でしたが、新型コロナの直撃を踏まえると興収11.9億円というのは許容範囲の結果でしょう。
そして第3弾は、第2弾の興収11.9億円という数字を前提とすると7掛けで興行収入8.33億円が合格ラインとなります。ただ、新型コロナの影響を除外すれば、本来のポテンシャルは、13.7億円×0.7で興行収入9.59億円と考えることもできます。
どちらにしても興収10億円を割り込むことが想定されますが、韓国ロケなどのスケールアップが作用し、何とか興行収入10億円突破を目指してほしいところ。有終の美を飾れるかに注目したいと思います。
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