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萩原利久「“正解”を決めず」普段とは異なるアプローチで役作り【第37回東京国際映画祭】

映画.com / 2024年11月2日 7時0分

萩原利久「“正解”を決めず」普段とは異なるアプローチで役作り【第37回東京国際映画祭】

 第37回東京国際映画祭のコンペティション部門に選出されている「今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は」が11月1日、東京・TOHOシネマズ日比谷で公式上映され、大九明子監督をはじめ、出演する萩原利久、河合優実、伊東蒼、黒崎煌代が舞台挨拶に立った。

 原作は、お笑いコンビ「ジャルジャル」の福徳秀介が2020年に発表した恋愛小説。冴えない毎日を送る大学生の小西徹(萩原)はある日、お団子頭の女子大生・桜田花(河合)の凛々しい姿に目を奪われ、思い切って彼女に声をかける。またたく間に意気投合すると、小西は、桜田が何気なく口にした「毎日楽しいって思いたい。今日の空が一番好きって思いたい」という言葉が、いまは亡き祖母の言葉と同じだと気づく。

 主人公・小西徹を演じた萩原は、「冴えない大学生というワードだったり、普段から日傘をさしていたりという、(表面的な)キャラクターの部分から入るのは危険かなと思った」と述懐する。役作りは「小西の考えることや、行動を1つ1つ考えることから始めた」といい、「今回はあえて撮影前に“正解”を決めず、選択肢の可能性を何倍も何倍も考えた」と、普段とは異なるアプローチに挑戦。そのうえで「現場で小西という人物が完成した」と語った。

 一方、河合は「お団子ヘアもそうですが、まずは衣装やメイクで外堀を埋めた」と、萩原とは逆のアプローチ。原作小説は小西目線で語られており、「小西から見た桜田という、外側からのイメージをヒントにした」とキャラクター像が生まれる舞台裏を明かした。

 小西に思いを寄せるさっちゃん役の伊東は、「原作を読み、優しく温かみのあるさっちゃんが大好きになった」といい、「映画をご覧になった皆さんにも、そう思ってもらえるさっちゃんでありたいと思った」と共感に基づく役作り。出身地・大阪でロケが行われ、「生活環境も想像しやすかったので、リラックスして演じることができた」と話していた。

 黒崎が演じるのは、主人公・小西の唯一の友人である山根。変わった関西弁をしゃべるという設定で「自分も関西人ですが『~やでねん』っていう変な関西弁で(笑)。どう発音したらいいのか監督と相談した」。さらに婦人服を着ているキャラクターで、「山根は山根なりに誇りを持っているので、そこはおちゃらけないように意識した」とコメント。4者4様の役作りに挑んだ若いキャスト陣に対し、大九監督は「フレッシュで才能に溢れている」と賛辞を送った。

 第37回東京国際映画祭は、11月6日まで開催。「今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は」は、2025年4月にテアトル新宿ほか全国で公開される。

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