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観客の誰もが幸福な気持ちになれるセリフなし映画「ゴンドラ」ファイト・ヘルマー監督インタビュー

映画.com / 2024年11月2日 9時0分

 “サイレント映画のようだ”という海外評について聞いてみると「私は“サイレント映画”だなんて言われたくはありません。そう言われるととても悲しくなります。日本は<セリフなし映画>と正しく言ってくれて感謝しています」と告白する。

 「私にとって音はとても重要。セリフがないことは、映像の邪魔をする字幕がないだけでなく、音のトラックをたくさん使えるのですよ。この映画の音は、撮影時に同録で撮ったものではなく、ポストプロダクションで工夫を重ねクリエイティブに作り出した音なのですが、60ものトラックを使いました。音をミキシングする作業は、言ってみればオーケストラの指揮のようなものですね」。

 映画には女性2人の乗務員のちいさな恋も描かれる。「実は、最初は、男女のゴンドラ乗務員を主人公にしたラブストーリーでした。ただ、オーディションの結果、印象に残ったのが2人の女優だったので、2人の女性の物語に変えたのです。女性同士になったからといって、ラブストーリーをやめるのですか。私は、そんなことは必要ないと思いました。性別なんて関係ない。男女だろうが、女性・女性だろうが、男性・男性だろうが、恋に違いはありませんからね」。

 監督の自由な表現があるからこそ、どの国の観客も、映画を見た後にとても幸福な気持ちになるようだ。これはある意味「ハッピーエンド」。監督は「ハッピーエンド」が好きなのだろうか?

 「も・ち・ろ・ん!!私はこの映画に限らず、これまでの映画でも世界各国の映画祭に行きましたが、映画祭に行くと、大体8割くらいは悲劇だったり、解決できない社会問題だったり、重い気分になる映画が多いですよね。そういう映画を批判しませんし、そういう映画はとても重要だと思いますが、一方で、人生には少ないながらも素晴らしい瞬間があるのです。そんなに多くはないかもしれなくても、幸福な瞬間はあるのです」

 「芸術とは、例え少なくてもそんな幸福な瞬間を見せることも役目だと思っています。それを伝えるために、私の映画は、ある種のハッピーエンドでありたい。今は大変な時代ですが、映画がユートピアであってもいいと思いますし、人を導いたり希望を与えたりする星のような存在であって良いのだと思います。生きる意味を信じられるような何かを観客に与えられるものでありたいと思っています」

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