中国のスター、イー・ヤンチェンシーが登場で客席が大盛り上がり!脳性麻痺の青年を好演し監督が称賛【第37回東京国際映画祭】
映画.com / 2024年11月2日 18時30分
第37回東京国際映画祭のコンペティション部門に選出された「小さな私」が11月2日、丸の内TOEIで上映され、出演者のイー・ヤンチェンシー、ダイアナ・リン、ジャン・チンチン、ジョウ・ユートン、イン・ループロデューサー、脚本のヨウ・シャオイン、ヤン・リーナー監督が舞台挨拶に出席した。
フィクションとドキュメンタリー双方で活躍するヤン・リーナー監督作品。脳性麻痺を患う青年リウ・チュンフーは、大学受験を控えるなか、祖母が力を注いでいる舞台を手伝っている。祖母はチュンフーを積極的に社会に関わらせようとするが、チュンフーの母は不安を隠せない……。障害を持ちながらも力強く生きる若者のひと夏の成長を描く。
2019年に公開された「少年の君」で高い評価を受けたイー・ヤンチェンシー。この日は、会場入りする姿を一目見ようと劇場の周りには大きな人だかりができるほど。呼び込みがあり、イー・ヤンチェンシーが登場すると場内からは大歓声が上がった。
本作でイー・ヤンチェンシーは、脳性麻痺を患う青年チュンフーを好演した。アイドルグループTFBOYSで活躍する姿とは全く違う顔を見せているが「脳性麻痺の資料を読んだり、実際の患者さんにお会いしたりして、たくさんリサーチしました。しっかりと自分の記憶に焼きつけて、クランクイン2週間ぐらい前に、グッと絞り込んで役を作っていきました」とアプローチ方法について述べていた。
チュンフーの祖母を演じたダイアナ・リンは「私も脳性麻痺を患っているご家族にお会いしました。家族がどうやって人間関係を作っているのかがとても大事だと思ったので、しっかり観察して役作りをしました」と語ると、チュンフーの母親役のジャン・チンチンは「『西湖畔に生きる』のときも母親役でしたが、まったく違う母。『西湖畔に生きる』は割と普通のお母さんでしたが、今回はかなり現実的な母親。甘くもあり苦しくもある母子の関係を意識しました」と役について述べていた。
ヤン監督は「今回の撮影スタッフは、とても優秀な方々ばかりでした」と賛辞を送ると「でも、私がこの作品に向き合うとき、そういった技術的なことはすべて捨てて、家族の心の物語に焦点を当てようと思ったんです」と演出意図を明かし「役者さんは皆さん、とても素晴らしい演技をしてくださいました。そのなかでも、ヤンチェンシーさんがチュンフーとして現場に入ったとき『何もいうことがない。成功したな』と思いました。この映画のなかでチュンフーは作品の魂であり、すべての視線が集まる。そのチュンフーを見事に演じ切ってくれました」と絶賛していた。
第37回東京国際映画祭は11月6日まで開催。
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