横浜流星は「武士」「仕事人」「生身」? 共演陣が目撃した“正体”を赤裸々に告白
映画.com / 2024年11月5日 21時19分
横浜流星と藤井道人監督が長編劇場映画では3度目のタッグを組んだ「正体」の完成披露舞台挨拶が11月5日、東京・丸の内ピカデリーで行われ、横浜をはじめ、吉岡里帆、森本慎太郎、山田杏奈、山田孝之、藤井監督が出席した。
染井為人氏の同名小説(光文社文庫刊)を映画化する本作。横浜が日本中を震撼させた殺人事件の容疑者として逮捕され、死刑判決を受けながらも脱走する指名手配犯の鏑木慶一を演じる。姿を変えながら、日本各地で潜伏して逃亡を続ける鏑木と出会うメインキャラクターを、吉岡、森本、山田(杏奈)が演じ、鏑木を追う刑事役として山田(孝之)が出演している。
4年越しの企画に序盤から関わってきた横浜は「サスペンスですが、エモーショナルな人間ドラマになっていてエンタメに仕上がっているので、老若男女問わずに観ていただきたい」と本作を紹介し、「自分の中でもひとつの集大成となった作品が4年の月日を経て完成し、お届けできることをうれしく思います」と感無量の面持ち。藤井監督は「時間がかかったからこそ、お互いにレベルアップした。流星もよく言っているんですが、4年かからなければこれだけの素晴らしいスタッフ、キャストは集まらなかった。期せずして、運命がぶつかる瞬間があるんだなと思っています」と必要な年月だったと、これまでの道のりをかみ締めた。また鏑木を追い詰める刑事役の山田は、「皆さんを追い込む立場ではあるんですが、追い込まれる立場でもあり、本当にストレスでした。絶対にハゲると思った」と身を削りながら演じたことを茶目っ気たっぷりに語っていた。
共演する中で知った、横浜の“正体”についてそれぞれがフリップに書いて発表する一幕もあった。「横浜流星さんの正体は、生身」とフリップを掲げた吉岡は、「アクションシーンがたくさん出てくるんですが、ほぼ全部、横浜さんご自身がやられている。危険をかえりみずに、すべてを映画に捧げているということを現場で感じていました。全部生身だなと思ったし、心もむき出しの状態で演じられているのも印象的」と振り返った。
「おしゃべり」と答えたのが、森本だ。劇中では距離感のある関係性であるため、「クランクイン前に一度、監督、僕、流星くん、プロデューサーさんでご飯に行ったんですが、そこでは一回も目が合わなかった。会話も『うん』で終わってしまった」という。しかし「いざ撮影が終わってみると、笑顔でしゃべってくれて、目も見てくれる。たくさんしゃべってくれるんだなと感じました。やさしい人で好きになりました」と役から離れた横浜は、にこやかに会話をしてくれたと話す。楽しそうに目尻を下げた横浜は「意識的にそうしていました」と、役作りのために距離感を保っていたと明かしていた。そして山田(杏奈)は「“仕事人”。常に真剣で、真摯。アクションを覚えるのが速いことにも感動しました」と横浜のストイックな姿勢を目撃したと惚れ惚れとする中、山田(孝之)は「水」と回答。ステージ裏で何を書こうかと思っているうちに、他のメンバーの答えを聞いてしまったそうで、「これはもう書けないぞと思った。そこでふと出てきたのが“水”。そう書いて、あとは流星に振ろうと決めました」と丸投げして横浜と会場を笑わせていた。
そして横浜と切磋琢磨しながらタッグを重ねてきた藤井監督は、「武士」とにっこり。「侍のような魂をしている。ちょっとはサボりなさいよと思うくらい真面目で、ちょっとは休んでほしいなと思うくらい仕事にストイック。侍さんみたいな方だと思って、いつも応援しています」とエールを送った。「汗が止まらない。ありがとうございます」と周囲の評価に恐縮した横浜は、自分自身の正体は「なし」とフリップにしたためた。「皆さんが自分の正体を言ってくださるのはありがたい」と前置きしつつ、「自分から自分のことを、あまり皆さんに伝えたくない。役者という仕事はミステリアスでいることがいいなと思うし、自分の人柄を知られて作品に影響してしまうのも嫌なので『なし』。教えません」とキッパリ。真面目な答えに、藤井監督は「そういうところが流星のいいところ」と目尻を下げていた。
「正体」は、11月29日から全国公開。
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