長塚京三、東京国際映画祭最優秀男優賞に驚き隠せず「こういう事態になるとは想像もつきませんでした」
映画.com / 2024年11月7日 1時0分
11月6日に閉幕となった第37回東京国際映画祭のクロージングセレモニー終了後、東京ミッドタウン日比谷のLEXUS MEETS...で各部門の受賞者が会見した。
今年の東京国際映画祭の東京グランプリ/東京都知事賞は、吉田大八監督、長塚京三主演の日本映画「敵」が受賞。同作は、グランプリのほかに最優秀監督賞(吉田大八)、最優秀男優賞(長塚京三)も獲得しており、計3部門を受賞している。
吉田監督はグランプリ受賞にあたり、「ここ何年かでつくっているものよりも規模が小さかったし、プロデューサーからは、とにかくやりたいことをやってほしいという力強い言葉をいただいた。ですから自分の中では我慢したとか、苦労したという感じがあまりなくて。もちろんつくっている間は苦労もありましたが、それも含めてものすごく楽しい映画づくりの現場だった。それがこういう華々しいことになって。映画づくりってこういうことがあるから楽しいんだなと改めて思いました」としみじみ話す。
一方の長塚も「こういう事態になるとは想像もつきませんでした」と驚きを隠せない様子で、「ずっと出ずっぱりみたいな感じだったので、本当に撮るので精いっぱい。ロケセットとしてお借りしていたお家も、僕が住んでいるところから遠かったんです。だから朝早くに現場に行って。家に帰るのも遅くなる。そういう生活でした。だから先の事など考えられなくて。これは本当に妻のサポートのおかげ。食べるものを食べさせてもらって、寝る時間を確保してもらったということですね。大変な肉体労働を終えたみたいで、むしろさわやかなくらい。だから映画祭に呼ばれて、賞までいただくとは考えてもいませんでした」と続けた。
パリ大学ソルボンヌに在学中、フランス映画「パリの中国人」で俳優デビューという経歴を持つ長塚。本作における、かつて大学でフランス文学を教えていた元教授という役柄に共通項を感じさせる、という報道陣からの指摘に「僕はひょんなことから俳優になりまして。普通の学生でフラフラしていた時に映画をやってみないかと誘われて、フラフラとこの世界に入ってしまったんです。フランスの映画でちょこっとやらせてもらったから、ひとつの経験としてこれでいいやと。違う職業に就くつもりでいたんですが、日本に帰ってから(芝居熱が)再燃して。こういう役があるからやってみないかとオファーをいただいて、やってみたのがキャリアの始まりなので、正確にいつから僕のキャリアがはじまったのか、というのは定義しにくいんです」と明かす。
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