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「火の華」小島央大監督、花火の“矛盾をはらんだ点”に着目 主演・山本一賢は“主人公のSNS”を独断で運用

映画.com / 2024年11月16日 14時0分

 また元自衛官で、新潟で花火師となる役を演じるにあたり、実際に小千谷の花火師に花火作りを学んだという。

山本「取り扱いが怖かったんですよ。練習もいっぱいして、多少上手くなっていたんですが、よく考えたら、島田は上手になってはダメな役。なんで練習しちゃったんだろうね?(笑)」

 また、本作では、火だけでなく、花もモチーフになっている。島田を表す花として夏椿が登場するのだが、これは山本が出したアイデアだった。「花火って、儚いからこそ美しいと言われていますよね。映画も人生もそう。そんな儚さを象徴する花として、夏椿に出会いました」と明かす山本に対して、「山本さんってロマンチストなんですよね。そんな山本さん自身の価値観がこの映画にフィットしているし、そのおかげで唯一無二の作品になったと思います」と小島監督は切り返した。

 そんな2人に加え、本作のプロデューサー兼中国マフィアのボス役で出演もしているキム・チャンバは「JOINT」からの盟友だ。3人の関係性について、小島監督は「まっすぐに意見を言い合える同志。支え合っている三角関係なのかなと思います」と話す。一方、山本は、「央大は『才能がすごい』と言われているんだけど、結構泥くさいんですよ。努力家ですし。インテリだけどストリートなところも好きだなぁって。ニューヨーク育ちで東大の建築学科卒業と聞くと、ちょっとイラッとしたりもするけど(笑)。“良い映画を作ろう”という目的が一緒だから仲良くできる」と魅力を明かす。

 観客からのQ&Aでは、鑑賞直後の余韻冷めやらぬ熱のこもった質問が数多く飛びだした。劇中には、英語台詞に日本語字幕がついていないシーンがある。その意図を問われた小島監督は「世の中が平和になってほしいとか、愛をもって人間と接しようとか、ある種、綺麗ごとだと思われがちなことを、あえてちゃんと声に出して言えるような世の中になってほしいと僕は思っていて。そんなセリフを誰に託したいかと考えました。そして、字幕がつくと、どうしても(翻訳者の)“解釈”がついてきてしまう。英語がわからなくても何か伝わるものがあるんじゃないかなと思い、字幕なしで編集しました」と明かした。

 また、X(旧Twitter)に“島田東介”というアカウントが存在するのを指摘された山本は「恥ずかしいっすね。“島田がSNSをやっていたらこんなことを書くだろう”という役作りの一環として、独断でやっていた。その時の島田の思いを書き連ねていました」と述懐。これは小島監督も知らなかったようで、「よく見つけましたね」と驚いていた。

「火の華」は、12月20日にテアトル新宿、ユーロスペース、丸の内TOEIほか全国公開。12月13日に新潟県先行公開。コメントは、以下の通り。

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