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「現代中国映画祭2024」はどんな映画祭? どんな作品が観られる? 映画祭ディレクターが解説

映画.com / 2024年11月21日 19時0分

●現代中国映画祭2024のラインナップ――“作家映画”を重視しつつ、日本初披露のメジャー作品まで

 では、どのような映画祭にするべきか――最初から明確に“作家映画”を紹介しつつ、日本でまだ紹介されていないメジャー系の話題作を上映したいと思いました。中国の観客が、どのような作品で盛り上がっているのかを、日本の皆さんにも見てほしいです。

 まずは“作家映画”に関して。昨年SKIPシティ国際Dシネマ映画祭と一緒に、近年の中国映画界における“最重要作品”「椒麻堂会」のジャパンプレミアを企画しました。3時間の長尺映画+平日午前の上映にも関わらず、多くの観客が来場し、トークイベントも盛り上がりました。映画というジャンルを超え、現代アート、ドキュメンタリー映像などの領域で幅広く活躍しているチュウ・ジョンジョンは、間違いなく現在の中国映画界で最も注目されている監督のひとりです。彼の作品は、以前中山大樹氏が主催した中国インディペンデント映画祭でも上映されましたが、今回は特集という形をとり、彼のフィルモグラフィの中で最も重要な3作品「マダム」「痴」「椒麻堂会」を「現代中国映画祭2024」の目玉作品として上映します。

 日本ではまだあまり紹介されていない、世界各国の映画祭で評価された中国若手監督の作品も“Chinese New Wave”という部門で3本厳選しました。その中でも、第71回サン・セバスティアン国際映画祭に出品され、多くの中国映画評論家に“2023年ベスト中国映画”に選ばれたリャン・ミン監督の「鉄西区に生きる」は、最も注目すべきでしょう。停滞した中国東北地方に、悲しくて、虚しくて、それでも生きていきたい人々の美しさを完璧に捉えた本作は、日本初公開となります。

 また、スー・チー主演、新鋭チン・シジョンが監督を務めた最新作「彼女」は、男尊女卑の厳しい社会環境の中で、一人の女性が戦っていく姿を描きます。こちらもお見逃しなく。さらに、第25回釜山国際映画祭で高評価を得て、今年9月のなら国際映画祭でも観客賞を受賞したツァイ・ジエ監督の「失った時間」も必見です。

 メジャー系の話題作を中心とした“Chinese Now Hits”部門について。トニー・レオン&ワン・イーボー共演、奇才チェン・アル監督の新作「無名」は、「現代中国映画祭2024」の前夜祭作品として上映。そして、今年9月に中国国内で公開され、すぐ社会現象になり、レビューサイトDoubanでは驚異的高評価をキープしている「家出の決意」を、本映画祭のオープニング作品として上映します。この作品は、過去作がカンヌ国際映画祭監督週間にも出品されたことがある才女イン・リーチュエン監督がメガホンを取り、ベルリン国際映画祭・銀熊賞(最優秀女優賞)を受賞したヨン・メイが主演しています。“中国映画史上最高の女性映画が誕生”など、絶賛の嵐が今でも続いているんです。

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