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マーク・フォースター監督、一貫して描きたいのは「人間を信じる気持ち」【「ホワイトバード はじまりのワンダー」インタビュー】

映画.com / 2024年12月5日 17時0分

■名優ヘレン・ミレンの圧倒的な存在感 スピーチシーンの裏話も

 フォースター監督が思い描く純粋なラブストーリーを体現すべく起用されたのが、若きサラを演じたアリエラ・グレイザーと、サラを助ける同級生“ジュリアン”役のオーランド・シュワートだ。

 「ジュリアンは最初、障害を持っているため自信がないんです。じっと下を向いていて、人の視線を避けている。そんななか、サラと出会って二人の愛がだんだん強くなっていくと、徐々に変化していく。そのさりげなく変わっていく姿を表現してほしかったのですが、素晴らしかった。気がつくと彼の演技に引き込まれていくんです。オーランドはものすごく才能のある俳優だと感じました」。

 若手の瑞々しい演技が見られる一方で、現在のサラを演じたヘレン・ミレンの圧倒的な存在感も作品を彩る。フォースター監督は「若い役者さんたちに大事なのは、リハーサルの時間をたっぷりとること。そこで丁寧に何を求められているのかを伝えることが大切なのですが、ヘレンのような大女優は多くを語る必要がないんです。もちろん演出として『こうしてほしい』とは伝えますが、一言で理解してくれます」と段取りを説明するだけで、役に対する演出はほぼしていないという。

 フォースター監督が一番好きだったシーンが、ヘレン演じるサラがミュージアムでスピーチをするシーンだったそう。「話し方や間の取り方など、とにかく聞いている人を魅了する雰囲気を瞬時に作り上げてくれました。本当に監督として多くを語る必要がないんです」。

■11年ぶりの来日「日本は食べ物も文化もファッションも大好き」

 フォースター監督にとって、作品選びのポリシーとはどういったものなのだろうか――。

 「自分の映画というのは、マジックリアリズムという表現をしているのですが、人間を信じる気持ちというのを大事にしているんです」と語ると、「この作品は、『ネバーランド』などに近いジャンルなのかもしれません。ほかにもアクション作品も数多く撮っていますが、どんな作品でも人間個人としてのキャラクターをしっかり描くことは意識しています。そこが僕にとっての大切なポイントです」と、どんなジャンルであっても、根底には登場人物たちの人間を信じ、愛する力を描きたいという思いがあるという。

 フォースター監督自身、来日は「ワールド・ウォーZ」以来、11年ぶりとなった。東京国際映画祭でも本作は上映され、ファンの前でスピーチした。「本来なら、『プーと大人になった僕』でも、『オットーという男』でも来日したかったんです」と笑顔で語ったフォースター監督は「日本は食べ物も文化もファッションも大好き。いつも僕の映画を温かい気持ちで観てくださる。本当に感謝しかありません」と語っていた。

 最後に、フォースター監督は「とにかく大きなスクリーンで観て欲しいです。そして美しい映像を十分堪能してください」と映画を楽しみにしているファンにメッセージを送った。

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