孤高で自由、自身の力で人生を切り開く女性を描く「ブラックバード、ブラックベリー、私は私。」監督インタビュー
映画.com / 2025年1月3日 17時0分
――あなたのこの作品は第73回カンヌ国際映画祭でも上映され、話題を集めました。最近ではデア・クルムベガスビリ監督「四月」が日本の映画祭でも高く評価され、名匠ナナ・ジョルジャゼ監督をはじめとし、日本や他国と比べてもジョージアは女性監督の存在を大きく感じます。ジョージアの映画界では古くからジェンダーは関係なく、実力のある監督は平等にその手腕を発揮できる土壌があるのでしょうか。
1990年代以前のジョージアの映画産業はソ連の影響が大きいものでした。しかし、2000年代に入って状況が変化し、ジョージアの中でもインディペンデントなアート作品も意欲的に作られるようになりました。そうはいっても、現在の政府はとても危険な状況で、世界の時代の流れに逆行しているような感じ、映画にとっても良くなった時代を阻まれている感じがします。もちろん、勇気や信念をもって、体制に抗う女性監督もいますし、作品を撮りたくても撮れない作家もいます。ですから、実のところ、現在のジョージアは映画人にとってそれほど良い状況とは言えないのです。
――オフビートな物語、色彩感覚や、ややレトロな音楽の使い方などアキ・カウリスマキ監督作品などを彷彿させます。あなたがこれまで影響を受けた監督や作品を教えてください。
カウリスマキ監督作品と比較されることはありますが、彼の作品を念頭に置いて映画を作ることはありません。もちろん彼の映画は観ていますし、影響を受けていないはずはないと思います。私は小さい頃から映画やアート、芸術が好きで多くのものに触れてきました。たくさんの映画を観て、自分の中に溜まったものを作品として出しているという感覚です。
好きな監督はライナー・ベルナー・ファスビンダー、彼のメロドラマが特に好きです。また、実験的な作品を作るバーバラ・ハマー、デレク・ジャーマン、ケネス・アンガー監督も好きです。しかし模倣しているわけではなく、私の作品は撮影監督とプロダクション・デザイナー、衣装スタッフと打合せをして作り上げていきます。
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