深川麻衣、田口トモロヲの怪演にタジタジ 田口は「してやったり(笑)」と不敵な笑み
映画.com / 2025年1月16日 21時12分
都会から移住してきた夫婦が、その村に存在する“掟”に追い詰められていくスリラー「嗤う蟲」の完成披露上映会が1月16日、都内で行われ、主演を務める深川麻衣、夫役で共演する若葉竜也、村を支配する夫婦を演じた田口トモロヲと杉田かおる、メガホンをとった城定秀夫監督が登壇した。
田舎での暮らしに憧れる主人公のイラストレーター・杏奈を演じた深川は、「ただ驚かせるホラーというよりは、笑顔の裏で何を考えているのかわからない怖さがジワジワ来る」と魅力を語り、「普段の試写では、自分の粗探しばかりしてしまうが、今回は純粋に楽しむことができた。夫婦と村人の対立は、グレーな部分もあって、どちらにも同情できると思うので、不穏な空気を楽しんもらえれば」とアピールした。
本作のテーマは「同調圧力」だと語る若葉は、「はっきりとルールを言葉にはせず、にやにや笑いながら“圧”をかけて、がんじがらめにする。この気味悪さ、何かに似ていると思ったが、自分がいるこの業界にもそういう空気はあるなと思った」と鋭く指摘する。
そんな2人を追い詰める村の自治会長・田久保を演じる田口は、「久しぶりにギアをマックスに、エンジン吹かしながら踏み込める役柄だった」と振り返り、「衣装合わせの段階で、監督にも『やり過ぎたら抑えて』と伝えて。実際、ちゃんと抑えてくれた(笑)」と不敵な笑み。そんな田口の怪演について、深川が「トモロヲさんに至近距離で詰められて……。ものすごい迫力で、本当に恐ろしかった」とたじろぐと、田口本人は「怖いと言われるのは、うれしいわけではないですが、してやったり(笑)」と再びにんまりしていた。
杉田は田久保の妻を演じ「若いおふたり(深川と若葉)が、田口さんと私を日に日に嫌がっている感じがして(笑)、それが本当にリアルだった。本当に嫌がっているのかなと思うほど、おふたりの演技が素晴らしくって」と恐縮した表情。自身の役どころについては「親切なおばさん、ではあるんですけど、おせっかいするほど怖さが増すところを見ていただけば。人間関係の隙間にある、ヒヤッとする部分が見どころ」だと語っていた。
共同脚本も手がける城定監督は、本作を「ジャンルレス」だと説明。「ジャンルとして怖さを強調する意識もあったが、それ以上に、村のコミュニティ、家族や夫婦のあり方にフォーカスを当てた結果、いろんなものが交じり合った」と作品の多層的な魅力を語り、「宣伝部は困るんじゃないかな(笑)」と話していた。
「嗤う蟲」は、1月24日から公開。
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