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誕生50周年を経てようやく作品の全貌を理解できた「ベルサイユのばら」【コラム/細野真宏の試写室日記】

映画.com / 2025年2月1日 7時0分

 私は再放送などでテレビアニメ版の「ベルサイユのばら」を断片的に見ていた際には、フランス革命などの歴史の知識は全く無かったので、理解しにくい作品としてインプットされていました。

 それが、今回の映画「ベルサイユのばら」を見て、初めて「ベルサイユのばら」の全貌が理解できたのです!

 主役級で登場するマリー・アントワネットのように、基本的にはフランスにおける1789年に起こったフランス革命を中心に史実に基づいて物語が構成されています。

 そのため、本作では改めてリサーチを綿密に行なって、衣装などをできるだけ当時のものにする努力をしていたようです。

 本作を見て気になったのは「歌のシーン」が多い点です。

 例えば、テレビアニメ版では、歌は基本的にオープニング、エンディングで2曲が流れます。

 ところが今回の映画では、間に「歌のシーン」がいくつかあり、数曲流れるのです。

 これは、テレビアニメ版であれば40話分の物語を、113分で表現しないといけないため、それぞれのシーンの内容を歌にして凝縮する演出がなされているからです。

 ただ、この演出手法はプラスとマイナスの面があります。

 歌を聞く際に、メロディと歌詞を同時に体感して理解できるタイプの人には問題はないのかもしれませんが、例えば私の場合は、初めて聞く曲では歌詞をほとんどスルーしてしまうため、そのシーンが伝わりにくくなる面が出るのです。

 つまり、この演出方法は万人受けをするわけでもないので、ここで評価が分かれることになるのではないでしょうか。

 また、テレビアニメ版と本作は製作母体が異なるようで連携が基本的にはないのですが、個人的には「シティーハンター」の映画化のように、テレビアニメ版のオープニング曲やエンディング曲を組み込んだ方が、より心に沁みて意義深い作品になったのでは、と少し残念に感じました。

 とは言え、最終的には作品の全容が分かるので本作の意義は大きいと思います。

 「ベルサイユのばら」には熱烈なファンが多いことが知られていますが、果たしてどのくらいの規模で興行収入を押し上げることができるのか――名作マンガのリバイバル需要を考える上で本作の行方に大いに注目したいと思います!

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