【パリ発コラム】クローネンバーグ特集が活況のシネマテーク・フランセーズ、ベルトルッチ「ラストタンゴ・イン・パリ」は上映中止に…フランス映画界の性暴力問題が再燃
映画.com / 2025年2月2日 14時0分
パリの映画愛好家たちにとっての殿堂、ラ・シネマテーク・フランセーズでデビッド・クローネンバーグ監督特集が開催され、連日人気を集めている。オープニングには4月にフランスで一般公開される新作「The Shrouds(原題)」が披露され、クローネンバーグ監督が登壇。さらに「イースタン・プロミス」の上映後には、ビゴ・モーテンセンのトークも開催され、客席で立ち会っていたクローネンバーグ監督が途中から飛び入り参加しての対談となった。ふたりはこれまで「ヒストリー・オブ・バイオレンス」(2005)、「イースタン・プロミス」(2007)、「危険なメソッド」(2011)、「クライムズ・オブ・ザ・フューチャー」(2022)と、4度タッグを組んでいる仲で、以前カンヌで話題を撒いたときと同様に、今回も、当然のように挨拶がわりのキスをふたりで交わしていた。
モーテンセンは、「『ヒストリー・オブ・バイオレンス』の脚本を読んだとき、興味は惹かれたけれど、かなり暴力シーンが多いのが気になった。それで監督と話し合いを始めた。はっきりと返事をしないまま、打ち合わせが進行していき、ある時点でついにデビッドから、『つまり君は引き受けるということだね?』と確認されたのを覚えている(笑)」と振り返り、「デビッドの映画では一般的にバイオレンスがよく話題にされるけれど、実際にそれが映し出されている頻度は、他の監督に比べて特別多いというものではないと思う。おそらく、冷たく客観的な描写がそういう印象を与えるのかもしれない」と分析した。また『イースタン・プロミス』の話題を呼んだハマムでの全裸格闘シーンについて尋ねられると、あっさり「ハマムで突然襲われるんだから、タオルが落ちて全裸になるのは自然だと思った」と答えた。
一方、クローネンバーグ監督は「危険なメソッド」について秘話を披露し、「モーテンセンが演じた精神科医フロイトは、本来クリストフ・ワルツが演じることになっていた。彼から、オーストリア人として自分にとってフロイトを演じることはとても重要なのだという、熱烈な手紙をもらったから。でもそのあとで彼はもっとギャラの高い「恋人たちのパレード」(2011)を選んで、こっちを辞退した(笑)。公式な理由は自信がないというようなものだったけれど。それでビゴに泣きついた」と語った。モーテンセンがそれを受けて、「僕はギャラが安くて、いつでも空いているから(笑)」と返し、場内の笑いを誘った。
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