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【世界の映画館めぐり】人VS犬!激しい闘い描く「Alangu」 南インド・フランスを感じる街のローカル映画館で刺激的な体験

映画.com / 2025年2月11日 17時0分

 館内のディスプレイには、映画賞のトロフィーや記念の賞品などが飾られており、かつてはスターが来場する各種セレモニーの会場にもなっていたのでしょうか、この劇場の栄光の時代を思い出させるようです。そして、70ミリフィルムで撮られたインド映画の上映があれば、是非見てみたいものです。

 映画館前に掲出された数種類のポスターがかっこよく、「Alangu」の#ManVsDogというタグ付けにも興味を惹かれます。監督はSakthivel Perumalsamyさん、グナニディ(Gunanidhi)さんという俳優が主演。監督名もキャストも日本語検索に引っかからない、こういったローカルな作品に出会えるのが、旅先での映画館めぐりの醍醐味であり、心が躍ります。

 ネットで観た解説に“タミル・ナドゥ州とケーララ州の国境を舞台にしたこの映画には、タミル語とマラヤーラム語の両方の会話が含まれている”とあり、筆者が思い出した作品があります。怒り狂う暴走牛と1000人の村人たちが繰り広げる戦いを描き、第93回アカデミー賞国際長編映画賞部門のインド代表にもなった「ジャッリカットゥ 牛の怒り」です。こちらがマラヤーラム語の作品で、数年前にリジョー・ジョーズ・ペッリシェーリ監督のインタビュー(https://eiga.com/news/20210717/8/)で、ケーララ州の文化について興味深い話をうかがいました。

 「Alangu」は、南インドの緑豊かな森の中のいくつかの集落が舞台。英語字幕がないのでセリフは全くわかりませんが、のんびりした田舎の雰囲気でも何か住民同士のトラブルが起きているのがわかり、マラヤーラム語のセリフにはタミル語の字幕が付きました。また、(フェイクでしょうが)犬を殺害するシーンや、対立する人間の腕を鉈(なた)で切り落としたりと、ぼかしは入っているものの、物語の割と早いうちからかなりハードな場面が出現し、こちらの心拍数を上げてきます。

 しかし……そんなバイオレンス描写が刺激的過ぎたのか、はたまた上映前に食べたスパイスの効いた昼食が刺激的だったからか、インド渡航経験がある方の多くは体験していると思われる急な体調異変が私を襲い、たった2時間の上映でしたのに、数度の自主的インターミッションを挟むことに……。

 さらに、勝手が違うため、日本人女性にはややハードルの高いインドの伝統的お手洗いをクリアしなければ、客席には戻れない……という2重の困難が私に降りかかり、何とか窮地を脱したものの、残念ながらこの物語の犬と人との関係やどんな展開で決着がついたのかわからずじまいでした。終盤に村の少女が犬をかわいがるようなシーンがあったので、ハッピーエンドだったと思います。実話を基にしている、社会派アクションスリラーとのことで、何かの機会に再見できることを願ってやみません。おそらく日本では見られないであろう作品、そしてこのようなアクシデントも含め、インドでの映画館でしか味わえない貴重な体験となりました。

 プドゥチェリは移動の都合でわずか半日の滞在でしたが、街そのものも魅力的だったので、今度は体調を万全にしてゆっくり訪れようと心に誓いました。次回は、南インドの門前町ティルチラッパリの映画館をご紹介します。

▼「Alangu」予告編

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