Cupitronがワンマンで見せた未知の可能性!

エンタメNEXT / 2014年12月17日 18時0分

オープニングから曲世界に浸る3人。グッと表情も引き締まる

 12月13日土曜、午前11時ごろ。人気もまばらな新宿歌舞伎町にあるライヴハウス・RUIDO K4だけは熱気を放っていた。今年6月にデビューした3人組テクノアイドル・Cupitron(キュピトロン)の記念すべきワンマンライヴ「Galaxy Party Ver.1.0.0」が開催されるのだ。

 ステージには巨大なスクリーンと両サイドに垂れ幕と近未来チックな施し。ここからして、何が起こるのだろう? と期待を煽らせる。

 暗転と同時に場内全体を、満点の星空が包む。この日、ステージはもちろんフロアにまでプロジェクションマッピングが映されるという、かなり実験的かつハイセンスな試みを行っているのだ。

 暗闇の中から3人が現れキック、低音強めのエレクトロサウンドに乗り、星間を駆け巡るような映像とシンクロするようにキレ味鋭いダンスを繰り広げる。フロアにいる一人一人には点のような星が映され、そのひとつひとつが繋がっている様は、どことなくファンと彼女たちとの絆のように映る……(筆者の考え過ぎだろうが)。 バシリとポーズを決めると、カラフルなシンセの音色が響き渡る。記念すべきこの日を、彼女たち初のシングル『ユニコーンパレード』で飾る。ハイウェイのトンネルの中を疾走していくようなイメージと、常に目まぐるしくフォーメーションを変えながら歌う彼女たちの姿がリンクしていく。

 続くは彼女たちのデビュー曲『サマーカイジュウ』。コミカルなタイトルながら、マイナー調で泣きどころ満載。この良き楽曲を、引き締まったステージングで魅せる。

 センターの浜田彩加は、可憐な姿からは想像できないほど力強く歌い踊る。最年少にして最小の宮川里奈は手足を大きく使いダイナミズムを演出。その二人の合間を縫うように、リーダーの山川二千翔は緩急を使い分けたダンスでしっかりと統率していく。三者三様の持ち味が序盤からいかんなく発揮された姿に、著しい成長を感じる。
ダンスはパワフル、トークでも勢いを見せる元気印!な浜田彩加
 MC明けに披露された『First Contact』は疾走していく前半から、Bメロでは転調し抒情的空気へと変わり、高速ブレークビーツなサビへとなだれ込む怒涛の展開。バックに流れる遊園地の映像のごとくカラフルに暴れていく。ファンとの出会いの喜びを歌う3人の顔は6月のデビューライヴで魅せた笑顔を超えるほどの、キラキラした表情。
山川二千翔はリーダーらしくMC、ステージで2人を引っ張る。時に強引に話をまとめる姿も中々
 「ピコピコ♪」と連呼する姿が可愛らしいチップチューン+ユーロビートな『ピコピコクラブ』を歌い終え、袖に向かった山川。トークのバトンを渡された浜田と宮川は急に2人で「しりとり」を始める。これにはファンも思わず「えっ!?」と驚きを隠せない。それでも、お構いなしに淡々としりとりを開始し、空気を繋ぐ。あまりにも唐突な展開に思わず吹き出してしまった。ファンもそのうち2人の間に入り、しっかりとしりとりを繰り広げたあたりに新しいコール&レスポンスの形を見た気分に(これも考えすぎだろうが……)。

 このユル~い空気を裂くように、ラストは初披露となるダンサンブルなポップチューン『火星ツアー』。シンプルな楽曲展開ながら、1番2番で全く違った振りを取り入れており、終始フォーメーションが緻密に変化する様には思わず唸ってしまった。デビューから半年、この短期間の間で積み重ねてきたものの集大成の表れのように映った。
キリリ!と引き締まった表情が魅力的な宮川里奈。時折見せるおっとり具合もまた素晴らしい
 もちろんこのままでは終われないと、アンコール。登場した3人は本日2度目の『ユニコーンパレード』でこの日最大にして最高の、煌めきを演出した。

 終演後、サプライズとして、12月27日に15歳を迎える浜田の生誕祭が行われた。浜田に向け、2人が思い思いの言葉を伝える。「今まで同い年だったのに抜かされちゃった……」と謎の悔しさを漏らす宮川に思わず笑みがこぼれるファンたち。

 山川は「彩加は遠くから通わなきゃいけないし、高校受験の最中で本当に大変な中、ちゃんと活動してて。そんな姿を見ると私が苦しくなっちゃう時があるんですよ。でも、辛い時でも彩加はいつも笑顔で……その笑顔に私は助けられているんです」と号泣しながら感謝を伝える。この瞬間の会場は優しい空気で満ち溢れていた。浜田もグッと涙をこらえ「今日みなさんと一緒に誕生日を祝えることが嬉しいです!」と真っ直ぐな言葉で伝え、この特別な日を美しい形で終えた。
ラスト、この日一番の笑顔が輝いた瞬間。充足感を物語る
 まだまだ結成から半年、トークを始めまだまだ粗削りな部分があるのは否めない。それでも、磨かれ続けるステージングや、3人の魅力を余すことなく引き出す、洗練された演出と世界観は常に成長中である。Cupitronには未知の可能性が詰まっている。その花が開くのはいつなのか、期待が膨らむばかり。そしてその瞬間を見逃してはならない、と思わされた1時間だった。

  田口 俊輔:アイドル、映画、音楽などについて書きたい系フリーライター/編集。アイドル関係では『Top Yell』『日経エンタテインメント』『アイドル最前線』『アイドル楽曲ディスクガイド』など

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