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最終回目前!95年生まれの筆者が考えるテレ東60周年ドラマ『95』はなぜ今ドラマ化されたのか?

エンタメNEXT / 2024年6月9日 11時30分

最終回目前!95年生まれの筆者が考えるテレ東60周年ドラマ『95』はなぜ今ドラマ化されたのか?

テレビ東京開局60周年連続ドラマ ドラマプレミア23「95」公式HPより

テレビ東京開局60周年連続ドラマ『95』(キュウゴー)。King & Princeの高橋海人(「高」は「はしごだか」が正式名称)が主演を務め、中川大志、松本穂香、細田佳央太、犬飼貴丈、関口メンディーらが共演している。6月10日に最終回を迎える本作は、1995年の渋谷を舞台に当時の高校生の熱い青春を描く。

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1995年は後にも語り継がれる重大な事件が多数起きた。そのなかでも1月17日に起きた阪神大震災と3月20日に起きたオウム真理教による地下鉄サリン事件はどの人の記憶にも残る衝撃的な出来事だっただろう。

『95』の主人公である秋久、通称「Q」も地下鉄サリン事件に影響を受けた一人で、ドラマでもこの話題が複数回にわたって取り上げられている。成績優秀で品行方正なQが事件を機に社会や人生の不安定さに気づき価値観が一変する。そのきっかけを作ったのが中川大志演じる翔だ。「ぼんやり大人になって、ぼんやり死んで、お前は満足なんだな」と翔が率いるチームにQを誘った。

物語は1995年から29年後の45歳になった秋久の目線で、過去を振り返る形で語られるが、秋久を演じている主演の高橋を含め、高校生を演じているキャストは20代がほとんど。そもそも1995年を「知らない世代」だと言えるだろう。1995年に起きた出来事をリアルに体験していないだけでなく、ポケベルやチーマー、ノストラダムスの大予言といった当時流行し、世間を賑わせたものを知らないということになる。

かくいう筆者も1995年生まれで、関西出身ということもあり阪神大震災については家族や学校から頻繁に伝えられてきたが、当時の時代感を知っているわけではない。おそらくドラマの視聴者も同様に「知らない世代」が多いだろう。

ではなぜ今この作品をドラマ化したのだろうか。幼少からスマートフォンが日常にあり、SNSで自由に情報を得て発信し、流行りはSNSを通じて広がっていく、そんな現代とは違う点がいくつもある1995年のドラマを通して、視聴者は何を感じ取るのだろうか。



興味深いのは、原作者である早見和真氏がインタビューで「本作の熱烈なファンは95年前後に生まれた人が多い」と答えていることだ。「こんな時代があったんですか」と問われる事が多いという。たしかに29年前の1995年は今から考えると過去の時代であり、今と比較すると社会が正しいとする価値観や経済状況、国際関係、環境問題、テクノロジーに至るまで何もかもが異なっている。ドラマを通してその違いに関心を寄せる若者も多いのかもしれない。

違いのなかに見出す憧れや羨望もあるだろう。翔やQを中心としたグループのほか派閥ごとの強固な関係や、グループの中心にいることで時代のスターになれるかのような表裏一体の充実感と閉塞感、血なまぐさい暴力的な熱さと危険な香り。

熱さこそ正義な時代の雰囲気をキャストのパワーやアクションシーンを交えて楽しませながら、暴力や偏った権力に飲み込まれた負の側面も描いていることが、形を変えて現代の視聴者の共感を生むのかもしれない。

一方で核となるメッセージは至ってシンプルだ。「あれから僕たちは、カッコいい大人になれただろうか」。時代を超える普遍的な問いの答えを、今まさに探している人も多いだろう。Qたちのようにまだ大人ではない若者にとっても「カッコいい大人になる」と強く決心する場面に直面することもあるはずだ。

『ごくせん』や『GTO』、『HiGH&LOW』といったいわゆる不良やヤンキーを扱い、派閥による闘いや熱血教師によって改心していく学園ドラマは過去にも多数あるが、ここまで年代や時代背景を特定して、その時代の雰囲気を追い求めた作品は少ない。約30年という時を超えて、ストレートなメッセージが今の大人たちや若者にも刺さっているに違いない。最終回は6月10日(月)夜11時06分から放送される。

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