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2025年後期朝ドラは『ばけばけ』、小泉八雲の妻・セツをモデルにヒロインはオーディション

エンタメNEXT / 2024年6月12日 13時25分

2025年後期朝ドラは『ばけばけ』、小泉八雲の妻・セツをモデルにヒロインはオーディション

脚本を務めるふじきみつ彦氏

2025年度後期の連続テレビ小説のタイトルが『ばけばけ』に決定した。今作は、松江の没落士族の娘・小泉セツがモデルの物語となっている。

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明治時代の松江。松野トキ(まつの・とき)は、怪談話が好きな、ちょっと変わった女の子。松野家は上級士族の家系だが、武士の時代が終わり、父が事業に乗り出すものの失敗。とても貧しい暮らしをすることになってしまう。世の中が目まぐるしく変わっていく中で、トキは時代に取り残されてしまった人々に囲まれて育ち、この生きにくい世の中をうらめしく思って過ごす。

極貧の生活が続き、どうしようもなくなったトキのもとに、ある仕事の話が舞い込んでくる。松江に新しくやってきた外国人英語教師の家の住み込み女中の仕事。外国人が珍しい時代、世間からの偏見を受けることも覚悟の上で、トキは女中になることを決意する。

その外国人教師はギリシャ出身のアイルランド人。小さい頃に両親から見放されて育ち、親戚をたらい回しにされたあげく、アメリカに追いやられ、居場所を探し続けて日本に流れ着いた。

トキは、初めは言葉が通じない苦労や文化の違いにも悩まされる。ところが、お互いの境遇が似ている事に気が付き、だんだんと心が通じるようになっていく。しかも、二人とも怪談話が好きだった。へんてこな人々に囲まれ、へんてこな二人が、夜な夜な怪談話を語り合うへんてこな暮らしが始まる――。

タイトル『ばけばけ』には、「化ける」物語という思いが込められている。急速に近代化が進む明治の日本は、人々の暮らしや価値観がどんどん「化けて」いく。その中で取り残された人々の思いは、時に怪談という物語に形を変え語り継がれてきた。それと同じように、うらめしかったトキの世界も、いつしか、かけがえのないすばらしいものに「化けて」いく。

舞台はヒロイン・松野トキが生まれ育つ島根県。その後、ヒロインの人生が進むにつれて、舞台地も熊本など各地に移り変わっていく。

今作の脚本をが務めるのは、『みいつけた!』(NHK)、『阿佐ヶ谷姉妹ののほほんふたり暮らし』(NHK)、『デザイナー渋井直人の休日』『きょうの猫村さん』(テレビ東京系)などのふじきみつ彦。また、ヒロイン・松野トキ役と、その相手役となる外国人英語教師の役は、いずれもオーディションを開催し決定する予定だ。


▼脚本・ふじきみつ彦
何も起きない物語を書いています。人生、光もあれば影もあると言いますが、人生って光でも影でもないところがほとんどだなぁというのが僕の実感です。キラキラしているわけではないけど影というほど暗くもない、取り立てて人に話すほどでもない他愛もない時間。そんな光でも影でもない部分に光を当てる朝ドラを書いてみたい。

今回のモデルである小泉セツさんのことを知ってそういう考えに至りました。セツさんは特別なことを成し遂げたりとてつもない夢を叶えたりした人ではありません。少し変わった、しかし何気ない日常を送った、言ってみれば普通の人かもしれません。だけど、だからこそ愛おしいのです。「夢は○○だけん!(島根言葉)」なんて一度も叫ばない朝ドラですが、好きになってもらえたら嬉しいです。

▼プロデューサー・ 橋爪國臣コメント
ヒロイン・松野トキは、夢を宣言し、がむしゃらに追いかけるヒロインではありません。時代の中で取り残されたり、大勢の意見の中で埋もれていったりする人々に光を当て、尊重し、共に生き抜いていく、そんなドラマを作りたいと思っていました。脚本のふじきさんは、日常に潜む不条理をクスッと笑えるユーモアとして描き出すことができる方です。朝ドラを作るにあたって、ふじきさんなら、小さな声にも耳を傾け、日常の中にちょっとしたおかしみや悲しみが紛れ込み、気がつけば心が温まる、新しいドラマを作り上げることができると思いお願いしました。

ふじきさんと共に題材を探す中で、「小泉セツ」さんと出会いました。セツさんが残した『思い出の記』には、淡々とつづられた日々の奥に、二人の愛情や苦しみ、喜怒哀楽があふれています。大きく変わっていく世の中に翻弄されながらも、夫・ハーンとともに暮らしていく姿に強く感銘を受けました。違う価値観を持つ者同士が、お互いを尊重して受け入れていく姿は、今の私たちにも大切なものを示してくれると思います。

セツと八雲が『怪談』を通じて時代を描き出したように、「ばけばけ」も今を生きる皆さんの心に響く朝ドラとしてお届けできたらと思います。

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