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ドキュメンタリーと見紛う“リアル感”に満ちた10分間…『アンメット』第9話の妙

エンタメNEXT / 2024年6月13日 18時55分

ドキュメンタリーと見紛う“リアル感”に満ちた10分間…『アンメット』第9話の妙

『アンメット ある脳外科医の日記』

カンテレ・フジテレビ系の月10ドラマ『アンメット ある脳外科医の日記』第9話が10日に放送され、ドラマ史、いや日本のエンターテイメント史に残る名シーンが生まれた。

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本作は同名コミックが原作で、杉咲花が主演。事故で記憶障害の後遺症を負った若手脳外科医の川内ミヤビが過去2年間の記憶をなくし、新たな記憶も1日限りで忘れてしまいながら、患者と向き合い、自分自身も取り戻していくようなヒューマンドラマとなっている。

第9話ではミヤビ(杉咲花)が記憶障害となった理由がついに判明し、物語の核とも言える部分が明らかに。ドラマのラスト10分間ではそのミヤビと三瓶友治(若葉竜也)の二人で話し込み、これまでのエンタメ作品でも例を見ないようなシーンが生み出される。

病院で二人きりとなり、ミヤビは何気ない質問を三瓶に次々と投げかける。好きな食べ物や過去のこと……そんな話をしながら三瓶は3つ離れた兄がいたことを明かし、その兄がすでにこの世を去っていること、重度の障害を持っていたことをぽつりぽつりと話し始める。

三瓶は「障害者施設を勧めた人たちも僕も、家族もみなそれが最善だと思っていたんですけど兄はずっと泣いてて……」と施設に入った兄を思い、過去に救えなかった命を思い返しながら考えを巡らせる。「まだ光を見つけられてません」と苦しそうに漏らす三瓶に対し、じっと話を聞いていたミヤビはまっすぐと見つめ返し、「私だったらうれしかったと思います。もし聞こえていたんだとしたらちゃんと聞こえているよって言いたかったんじゃないかな」と言葉を紡いでいった。

一連のシーンはさながらドキュメンタリーと見紛うほどで、うんうんとうなずきながら聞く三瓶も、自然な身振りで話すミヤビもこれ以上ないほどに“人間”だった。ドラマでありながら、まるで二人きりの世界を視聴者が覗き見てしまったかのような感覚に陥らせた10分間。それは、杉咲が野呂佳代のレギュラーラジオ番組『Roomie Roomie!』で「今までにない」と話した撮影方法も起因している。

ラストシーンでは長回しを行っており、必要最少限のカット数に。したがって、ミヤビが「光は自分の中にあったらいいんじゃないですかね」と語りかける場面では、画面の右端のみに杉咲がおり、それ以外は遮蔽物やパソコンなどが映し出される。一般的なドラマとしては不自然なのかもしれないが、それがまるでドキュメンタリーのような味わいを生み出し、これ以上ないほどのリアルを我々に突きつけている。

また、原作を巧みにドラマへと落とし込んだ脚本にも賛辞を送らないわけにはいかない。ドラマ史に残る名シーンは原作で同様の場面は存在せず、逆に三瓶の兄の最期はドラマでは(残り2話で描かれなければ)カットとなっている。こうした優れた取捨選択が、最高の原作を最高のドラマへと昇華させている。

SNSでは、2週連続世界トレンド1位となっており、世間の反響は言うまでもない。杉咲をはじめとする出演者は度々「同業の方から今までにないほど声をかけられる」と話している通り、業界全体でも大きなインパクトを残す。実際、テレビプロデューサーの佐久間宣行や芸人の東野幸治ら目の肥えたエンタメ好きも自身の『X』で称賛の言葉を寄せている。

ドラマ『アンメット』はどのような最後を迎えるのだろうか。原作が連載中であるだけに予想することは難しいが、どれだけ期待していてもそのハードルを越えてくれるはずだ。

【あわせて読む】『アンメット』7話見逃し配信が296万再生、関テレレギュラードラマ史上で歴代1位

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