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“アニメ総集編”の劇場版『ぼっち・ざ・ろっく!』が全国映画動員ランキングで1位を獲得したワケ

エンタメNEXT / 2024年6月22日 11時30分

“アニメ総集編”の劇場版『ぼっち・ざ・ろっく!』が全国映画動員ランキングで1位を獲得したワケ

『劇場総集編ぼっち・ざ・ろっく! Re:』公式HPより

興行通信社が発表した6月7~9日の全国映画動員ランキングで、6月7日から公開がスタートした『劇場総集編ぼっち・ざ・ろっく! Re:』(以下、劇場版)が1位を獲得した。はまじあき氏の『まんがタイムきらら MAX』(芳文社)で連載している人気4コマ漫画『ぼっち・ざ・ろっく! 』をアニメ化した作品の劇場総集編の前編となる本作。あくまで総集編のため、どこまで動員を伸ばすかが注目されたが、堂々の1位に輝きその人気の高さを見せつけた。基本的にはアニメ版で見たことのあるシーンが流れるが、再編集されたことによってまた新しい面白さを感じさせ、すでにアニメ版をすべて見た人も楽しめる内容と言って良い。(以下、ネタバレを含む)。

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本作は8話の台風の日のライブまでが描かれている。8話分を約90分にまとめているため、どうしてもカットせざるを得ないシーンが少なくない。残念ながら、後藤ひとり(以下、ぼっち)の家に伊地知虹夏と喜多郁代が訪れた際にぼっちが死んだ目をして可愛い服を着たり、ライブの打ち上げで変形してしまったぼっちの顔を山田リョウと郁代が紙やすりで整備したりなどのシーンは見られない。とはいえ、ぼっちが初対面のリョウに挨拶する時に虹夏が「リョウは表情が出にくいだけ」「変人って言ったら喜ぶよ」と言った後に「嬉しくないし」と照れるリョウに、ぼっちが心の中で「嬉しそうだ」とポツリとつぶやく個人的にかなり好きなシーンは残っている。

印象的な小ネタはカットせず、もちろんライブシーンはしっかりと巨大スクリーンに映し出されていた劇場版。アーティストに例えるなら“ベストアルバム”みたいな印象だった。ベストアルバムはカップリング曲が入ることは珍しく、シングルやアルバムの表題曲の曲が収録されがち。裏を返せば、アニメ版を視聴していない人は『ぼっち・ざ・ろっく! 』とはどういう作品なのかを把握できる。そして、劇場版を見た後にアニメ版を視聴すれば、「こんなシーンもあったのか!」と映画館では見られなかった面白いシーンを知ってより深みにハマっていける。まるで“ベストアルバムからハマって気付けば過去のシングルを掘り下げまくる”という高揚感を味わえるだろう。



やはり総集編のため、アニメ版を見ていない人のほうが満足できそうではあるが、そういうわけでもない。アニメ版視聴組だからこその感動も多い。アニメ版は4コマ漫画が原作のアニメらしく、どこかゆるさがありながら話数が進む。一方、劇場版はアニメ版と異なり、ゆるさはほどほどに、脇道にそれることも少なく、「ぼっちはなぜバンドをやっているのか」という軸をより際立たせていたように思う。

劇場版の冒頭ではいきなり、アニメ版5話で虹夏がぼっちになぜバンドをしているのかを聞くシーンから始まる。この虹夏の問いかけが初っ端にあったからこそ、作詞に悩む姿、廣井きくりからの「敵を見誤るなよ?」という言葉の意味を理解しようとする姿など、ぼっちの葛藤が強く感じられた。また、台風の日のライブでバンドをやる意味を見い出し、“ギターヒーロー”となって思い通りの力を出せないメンバーを救う姿は、アニメ版でも感動的なシーンだったことは言うまでもない。それでも、劇場版ではアニメ版よりもぼっちの成長、さらにはそのカッコ良さに一段と胸を打たれるシーンになっていた。

シーン自体は変わっていないものの、見せ方ひとつでここまで受け取り方を変えてしまう制作陣の手腕に驚愕。アニメ版を見ていたからこその感動を覚え、アニメ版を見た人にこそオススメしたくなった。言わずもがなではあるが、大音量で結束バンドの曲を聞けることが何よりの魅力である。「どうせアニメでやったやつでしょ?」とは言わずに興味があればぜひ見てほしい。

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