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鳥羽周作がパスタレシピを発信する理由「パスタはプロっぽい味を家庭で再現できる一番簡単なツール」

エンタメNEXT / 2024年7月25日 6時1分

鳥羽周作がパスタレシピを発信する理由「パスタはプロっぽい味を家庭で再現できる一番簡単なツール」

鳥羽周作 撮影/佐賀章広

31歳で料理の世界に入り、瞬く間に外食業界に旋風を巻き起こした、シェフであり実業家でもある鳥羽周作氏。代々木上原の「sio」を起点に、新時代のファミリーレストラン「FAMiRES」や青山のイノベーティブレストラン「Hotel’s」など、さまざまなジャンルの店舗を展開するとともに、YoutubeやXのポストで誰でも簡単に作れておいしいレシピを公開。実際に作ってみた人たちから絶賛の声が寄せられるとともに、SNSで発信した「トバい」がネットミームとして広がるなど注目を集めている。そんな氏の原点であり、頂点でもあるパスタのレシピだけを集めた『帰ってきたら すぐに作れる、食べられる おかえり!パスタ』(CCCメディアハウス)が7月20日に刊行される。そこで氏の提唱するワンパンパスタの魅力から、パスタをおいしく作るコツまで話を聞いた(前後編中の前編)。

【写真】レシピ本『おかえり!パスタ』を発売した鳥羽周作

「僕は31歳まで素人だったんです。教師を辞めて料理人を志し、最初の修行先として働きだしたレストランで食べた、白トリュフ風味のカルボナーラに、ものすごい衝撃を受けた。もともと卵料理が好きでカルボナーラには思い入れがあったんですけど、それまで食べたカルボナーラとは全く違ったんですよ。生クリームとかチーズとかではなく、白トリュフの香りと、パンチェッタの香ばしさと塩で食べるカルボナーラなんですが、切れ味がスパッとしている。

いま、うちの店でも同じ味の系譜の白トリュフのカルボナーラを出しているんですが、やっぱりすごく人気ですね。幻冬舎の代表取締役の見城徹さんがうちの店に食べにきてくれたことがあるんですが、見城さんはカルボナーラが好きだっていうんで『自分もカルボナーラ、好きなんで作らせてもらってもいいですか』って声をかけてお出ししたんです。そうしたら『俺が日本で一番好きなカルボナーラに似てる!』って言っていただけて、すごく仲良くなった。そういうことも含めて、カルボナーラには支えられてるなって思います」

もちろん新刊の『おかえり!パスタ』には、カルボナーラのレシピも収録。フライパンひとつ、「ワンパン」で作れるレシピなども紹介されている。

「カルボナーラもおいしいですが、僕が好きなパスタは、無限パスタ2っていう目玉焼きを乗せたやつですね。めんつゆを使って麺を茹でるんですが、これはマジでおいしい。ワンパンパスタっていうのは、茹でている間に麺に味を入れるっていうのが基本的な考え方なんです。それがコンソメなのか出汁なのか、めんつゆなのかで、味が決まる。そこに何の具材を入れるかっていうバリエーション。

この間、ナポリタンを作ろうと思ってケチャップを入れて茹でたら『これ、卵も合いそうだな』って入れてみて、トマトカルボナーラにしたらめちゃくちおいしくって。案の定、Xでレシピを公開したらバズりましたね」

そんな自由な発想で考案された『おかえり!パスタ』のレシピは55種類。毎日一皿ずつ作ってもひと月半以上楽しめるが、どれも再現性の高さと食材の代用がきくことを意識したという。



「ワンパンパスタって、麺を茹でている時に味を入れるので、その時点で九割方、味が決まるんです。例えば、めんつゆにバターの組み合わせは絶対においしくなるから、失敗したくなかったら、この組み合わせは間違いないです。ちょっと甘めのめんつゆを使うとキャッチ―な味になって僕は好きですね。僕のレシピは、Xで話題になりがちですけど、甘めのめんつゆとバターにチーズ、そこにきのこでも入れたら、おいしいワンパンパスタができあがる…そんな感じで、とにかく簡単でわかりやすいからだと思います。

140文字で紹介できるし、動画を観なくても再現できる。食材だってなければ代用すればいいんですよ。無塩バターが無ければ有塩バターを使ってもいいし、『生クリームは高くて買いたくないから牛乳で代用してもいいですか』って問われれば、『いいよ』っていいます。もちろん生クリームで作ったほうがおいしいけど、自分がその味とお金とどっちを取るかってことじゃないですか。生活レベルの話もあるし、その人の価値観の問題でもあるから、否定しないって大事です。別にレシピ通りに作らなくっても、最終的には自分がおいしいと思うところに着地すればいいんです」

『おかえり!パスタ』に掲載されているのは、誰もが失敗なく作れるレシピに加えて、使用する食材もコンビニやスーパーで買えるものばかりだという。が、店の棚にはパスタの麺だけでも数種類が並んでいる。どう選べばいいのだろうか。

「太さの話でいえば、基本的には1.4ミリか1.7ミリなんですが、時間をかけずに作りたいんだったら、茹で時間の短い1.4ミリ。ワンパンパスタは茹で時間が5分なんで、1.4ミリのほうが向いています。ただ100グラムとか、ちょっと多めに食べたい人は1.7ミリのほうが、食べている最中に麺が伸びなくていい。パスタの麺にはブロンズとテフロンっていう種類があって、ブロンズは表面がザラザラしていて、テフロンはつるつるしてるんです。僕はクリームソースにはテフロンを使っていて、それ以外はブロンズですね。

茹で方は濃度が高いソースの時は、アルデンテを強くして、オイル系などのソースに濃度がないものは、ちょっとしなるように柔らかめのアレンジにしています。厳密にいうと調理器具でも味が変わってきます。マニアックな話になっちゃうんですけど、パスタを茹でるのに、ホーローは匂いを取らないからベスト。ステンレスは匂いを取っちゃう。だから、出汁を取る時なんかも本当はホーローがいい。

ソースを絡める時、プロは熱伝導が早く、ソースを熱々にしやすいアルミパンを使うのですが、家で作るならテフロンがいいと思います。『おかえり!パスタ』でも、ワンパンに適したサイズのテフロンのフライパンを紹介しています」



『おかえり!パスタ』はあくまでも「誰もが再現できる」に重きを置きつつ、フライパン一つ=ワンパンで作れるパスタはもちろんこと、誰もが大好きな定番パスタ、さらにはワンランク上のレストランの味が作れるパスタのレシピまで掲載している。ゆえに、料理初心者から、料理好きまで満足できるような本に仕上がっている。

「パスタってプロっぽいレシピを家庭で再現しやすい、一番簡単なツールなんですよ。なんだったら、市販のパスタソースに生クリームを加えただけでおいしくなるような、手軽なレシピも紹介しています。実際に食べてもらった人全員がおいしいって絶賛したレシピしか載せてない。はっきりいって相当お得な1冊だと思いますよ。過去最高のパスタ本だと思います。惜しみなく全部詰め込みました。それが、僕のやりたいことだからです」

取材・文/大泉りか

【後編はこちら】鳥羽周作がSNSをやめない理由「僕はエゴサの鬼、傷つくこともない。最終出口はレシピで幸せにすること」

▽鳥羽周作氏の著書『帰ってきたら すぐに作れる、食べられる おかえり!パスタ』(CCCメディアハウス)が発売中。8月2日(金)17時45分からは、「o/sio」(東京・丸の内)にて30名限定の発売記念イベントも開催。詳細はhttps://peatix.com/event/4051511/

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