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ドラマ『海のはじまり』“家族愛”を押し付けない優しい脚本「嫌いでいいよ、親だって人だし」

エンタメNEXT / 2024年8月2日 20時10分

ドラマ『海のはじまり』“家族愛”を押し付けない優しい脚本「嫌いでいいよ、親だって人だし」

フジテレビ『海のはじまり』公式HPより

7月29日に放送された月9ドラマ『海のはじまり』(フジテレビ系)の第5話では、家族に対して複雑な感情を持つ人に寄り添う優しい内容だった。(以下、ドラマのネタバレを含みます)

【関連写真】『海のはじまり』“髪を梳く”という何気ない表現に込められた意味

 月岡夏(目黒蓮)は娘の南雲海(泉谷星奈)と交流するため、1週間南雲家で一緒に暮らすことになる。そのことを恋人の百瀬弥生(有村架純)に伝えた際、海から髪の編み込みを頼まれる可能性を想定して、弥生は自身の髪で練習することを夏に提案。慣れない手つきで編み込みする夏は、弥生から「性格が出過ぎてる」「優しすぎ、緩すぎ」と指導を受けながらも懸命に取り組む。和やかな空気が流れる中、弥生は表情が徐々に曇り出し、「やってもらったな」と自分も幼少期に母親に髪の編み込みをしてもらったことを思い出す。

 ただ、それは決して楽しい記憶ではなく「すごい早くて痛いの。作業って感じ」「『お父さんやって』って甘えるとお母さん怒るし。お母さん怒るからお父さんも嫌がる」と回想して、「ごめんね、いつも理由つけて親に会わせなくて」「嫌いなの」と親との確執を告げる。

続けて、「『好きなタイプは家族を大切にする人です』っていうアレ、それだったらごめん」と謝罪すると、夏は「嫌いでいいよ、親だって人だし」と返答。弥生は夏の言葉に「うん」「じゃあ、嫌いなままでいる」とどこか安心感を覗かせる表情を見せた。

 「家族は仲良くすべき」「親には感謝しなければいけない」という空気感は根強い。ただ、仮に虐待を受けていなくても、家族が苦手な人は一定数いる。そういう人からすれば“家族愛”を是とする空気感はかなり息苦しい。家族に少しでもネガティブな感情を抱いてしまうと、自分自身を責めてしまいかねない。

また、家族に対するネガティブな感情を誰かに話しても、「家族は仲良くすべき」という空気感が手伝って「昔のことじゃない」「それくらい許してあげなよ」と共感してもらえず、それどころか「家族を大切にしないなんてあり得ない」と否定される可能性も低くない。だからこそ、弥生に「嫌いでいいよ、親だって人だし」と返す夏の優しさに救われたのは決して弥生だけではないように思う。



 ちなみに、『海のはじまり』の脚本家・生方美久が手がけたドラマ『いちばんすきな花』(フジテレビ系)でも、家族を嫌うキャラが登場する。美容師・深雪夜々(今田美桜)は幼少期から母親・沙夜子(斉藤由貴)から“女の子らしさ”を強要されたことに苦しんでおり、「すごく大事にしてもらえて感謝しとるけど、けど……辛かった」「ママのことは嫌いじゃない、好きだよ。好きやけど、嫌いなとこがいっぱいある」とその不満を爆発させるシーンがあった。

 夜々の叫び、夏のセリフ、いずれからも家族を100%好きになれないことは珍しいことでもなければ、悪いことではないという気持ちにさせてくれる。「嫌い」という感情を受け止め、肯定してくれる生方の脚本には目が離せない。今はまず『海のはじまり』の展開を楽しみにしたい。

【あわせて読む】『海のはじまり』第4話 古川琴音、有村架純…二人の女性の<選択>を見つめる眼差し

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